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明らかになった名ばかりの府市連携

こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。

 

一昨日、私と同じ会派の仲間の小堀清次議員の質疑の中で、大変興味深いやり取りがありました。

※参考画像(別の日の質疑のもの)です。

 

そこで明らかになったのは、大阪府と堺市のいわゆる「府市連携」が名ばかりのものだということです。いや、「名ばかり」どころか、堺市がただ「舐められているだけ」の関係でしかない。それが私の率直な感想です。

 

そのことについて、今日は書きたいと思います。

 

府市連携って?

大阪府と堺市が連携すること。

と言ってしまうと、何のひねりもないんですが、この「府市連携」がこのところの大阪府の首長選挙で度々クローズアップされるようになりました。

 

橋下知事が維新の会を立ち上げて14年。それ以降、維新の知事が続き、それが変わりそうな気配はありません。

「同じ維新の市長になれば、府市連携が進む」という理屈は非常にわかりやすく、それが選挙結果にも大いに影響してきたと思います。

 

堺市においても、たとえば泉北ニュータウンは府有地が多く、地域活性化に府の協力が欠かせません。議会での議論においても、「府と連携」「府と協議」といったワードが度々聞かれます。

 

振り返れば永藤市長も、市長選にあたって当然のようにこの「府市連携」を前面に打ち出し、それができるのは「維新だけ」とも語ってきました。

ところが、その「府市連携」が名ばかりだという証拠が、議会で突き付けられたのです。

 

存在しなかった文書

小堀清次議員は、これまで泉北ニュータウンについて、最も多くの時間を使って議論してきた議員と言えるでしょう。

 

その中で、彼の地元であり、建て替えの計画があり、何度も議会で議論してきた「府営高倉台住宅」について、「堺市と協議されたことがわかる一切の文書」を情報公開制度に基づき、一府民として大阪府に求めたところ、大阪府からの回答は、

 

「堺市と協議した行政文書が存在しない」というものだったのです。

府と協議すらしていなかったのか?

 

小堀議員が証拠(回答文書)を突き付けて当局に迫ります。

 

過去の「府と協議」という答弁は虚偽だったのか。議会が紛糾し、止まるのではないかと私は思いました。そんな強烈な爆弾が投下されたのでした。

 

メモすら取らない大阪府・取ってもらえない堺市

これに対し、大阪府の幹部でもあった本屋副市長の答弁が驚きでした。

 

「協議はしていた。堺市からの要望は口頭で伝えていた。」

というのです。

 

子どもの使いじゃあるまいに、口頭で要望とはいったいどういうことでしょう。

しかも、「府に文書が存在しない」ということは、堺市からの要望や協議内容について、大阪府は「メモすら取ってくれていない」ということになります。上席にも報告していないのでしょう(『ちゃんと』報告していれば文書が残ります)

 

一般企業でも、こんなことがあり得るでしょうか?

まして税金を扱う役所です。その政策判断が後世の検証に耐えられるよう、「文書に始まり文書で終わる」というのが行政の大原則です。

 

メモすら取らない大阪府、取ってもらえない堺市。

「府市連携」どころか、「舐められた関係」であることが白日の下に晒されたのでした。

 

そういえばと思える事例

この議会では、他にもこんなことがありました。

 

堺市が戦没者追悼式の市での独自開催をやめ、大阪府との共催にし、その開催費用を負担するようになったことについて、元維新の水ノ上議員が「独自開催に戻すべき」と主張しました。(私もそうすべきと思います)

※堺市HPに赤線追記

 

答弁は、さも高齢化する遺族に配慮したかのようなものでしたが、このような「舐められた関係」を目の当たりにすると、この追悼式も、都合よく開催費用を負担させられているだけじゃないかと思えてなりません。

 

過去にも、

 

大阪府の児童自立支援施設の寮舎建設費用を堺市が全額負担したこと。

同施設併設の中学校に堺の教員を派遣するにあたり、これまで大阪府が人件費を負担していたのに、堺市負担に変わったこと。

大阪府が開発した健康増進アプリに「データをもらうため」と称し、費用負担したこと。

 

などなど、振り返れば、「そういえば、これもそんな関係がもたらした結果だったのか」と思える事例が次々に思い浮かんでくるわけです。

 

なぜ舐められているのか①

なぜ大阪府とこのような関係になったのか。一言で言えば、

 

永藤市長の生殺与奪権を吉村知事が握っているから。

だと私は思っています。

 

吉村知事は維新の共同代表であり、永藤市長の選挙での公認の可否に、とてつもなく強い影響力を持つ人物です。そして、その「維新の公認」なくして、永藤市長の選挙での勝利はあり得ませんでしたし、次の選挙(に出るかどうかは定かでありませんが)でも勝てるはずがありません。

 

奇しくも、この「選挙での公認」について、前堺市議の池田氏がこのように発信しています。

これは馬場代表に向けられたものではありますが、豊富なキャリアと活動量、そして地元での強い地盤がある(と私には見えた)にも関わらず、公認が得られずに苦杯を舐めた彼です。その彼の「堺維新で自由な意見など絶対に言えない」という発言には、強い説得力があります。

 

一議員ならばまだしも、永藤市長は、(維新支持者以外も含めた)堺市民全体の代表者」です。

馬場代表や、とりわけ吉村共同代表(府知事)に対し「自由な意見など絶対に言えない」という関係であってはなりませんが、、、、私は上記のような「舐められた関係」の原因は、ここにあると思っています。

 

なぜ舐められているのか②

もう一つの「舐められた関係」の原因は、堺市選出の府議会議員の働きが不十分だからだと思えてなりません。

 

府議会議員は「大阪府民の代表者」ではありますが、現行の選挙制度においては「各選挙区の代表者」という側面もあります。私も、「(選挙区である)堺区の声を堺市政に届ける」というミッションを背負っています。

 

堺市選出の府議会議員が、堺市の立場をしっかりと府当局に主張してくれていたら、メモすら取らない舐めた関係になるわけがないと、私は思います。

 

実際のところ、私は「堺市選出の府議会議員」の活動をつぶさに見ているわけではないので、想像の域を出ませんが、それは、まがりなりにも議員を10年近くやってきた中での「常識的な感覚」です。

 

渕上の地元でいい加減なことをしたら、渕上がうるさいだろうな・・。

渕上がよく議会で主張する●●の分野でおかしなことをしたら、渕上が・・・

 

というくらいは堺市当局に思ってもらえているつもりですし、当局は多くの議員のそれぞれの地元に対し、あるいはそれぞれの注力分野に対し、そう思っているはずです。

「堺市選出の府議会議員」には、「それがないんだろうな」という話です。

そうでないならば、この件も府当局に「ガツン」と言ってもらいたいところです。

 

府と市の健全な関係へ

先日、箕面市長選挙で維新公認の現職市長が敗れました。

そういえばその現職市長も、万博に関する問題発言があった際、「撤回しない」と言い放っていましたが、吉村知事に「撤回すべき」と言われた途端に撤回することになりました。

 

発言そのものは撤回されてよかったのですが、そのやり取りにも、「党公認市長と、党代表の知事」という上下関係、従属関係が垣間見えました。

※共同通信ニュースより

 

発言云々ならまだしも、重要な政策決定に、そのような関係が影響していいと思えませんが、党公認の永藤市長でいるうちは、この関係が大きく変わることはないでしょう。

 

私たち堺市議会議員は、大阪府当局に直接権限を行使することはできないものの、しかし今回のように、明確な証拠を持って公開の場で議論することで、間接的に影響を及ぼすことができるのではないか。

そう思える小堀議員の質疑でした。

 

真に対等で、健全な府市連携へ

 

私も先輩を見習って頑張りたいと思います。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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