堺の国際交流は何を目指しているのか
こんにちは。堺市議会議員のふちがみ猛志です。
かなり時間が経ってしまいましたが、7月8日、9日と、ベトナムのダナンに行ってきました。
堺市議会に立ち上がっている日越友好議員連盟のメンバー(のうち総勢5名)での訪問です。

※国際会議の会場にて
そのレポートも兼ねてブログにしたいと思います。
ベトナム・ダナンとの交流
2019年に堺市が友好都市提携したダナン市は、ベトナム第三の都市で、現在の人口は300万人を超える、成長著しい大都市です。

堺は中世からの交流に加え、2009年にベトナム総領事館が堺市内に移転したこと、堺市のアセアン諸国との交流事業「アセアンウィーク」でダナン外国語大学の学生が、民間大使として堺市に毎年来てくれていたことなどを通じ、その関係を深め、友好都市提携に至りました。
ちなみに私自身、アセアンウィークで同市からの民間大使をホームステイで受け入れたこともあり、同市との交流に、ほんの少しですが貢献してきたつもりです。
ダナン市では毎年「日越文化交流フェスティバル(ジャパンフェス)」が盛大に開催されており、堺市もそこにPRブースを出展してきました。
また、前後の関連イベントも含めてご招待を頂いたこともあって、私は昨年7月に同僚の西議員と2人でダナン市を訪問させてもらっていました。それが私のダナン初訪問でした。
昨年指摘した課題
昨年のジャパンフェスに参加して驚きました。
PRブースが横浜市との共同スペースになっていたのですが、左の横浜市側にはポスターがたくさん掲示されているのに、右の堺市側にはまったくなし。

PRパンフレットにいたっては、袋に入った状態で、無造作に山積みされたまま。

※この袋の中にパンフレットが…
堺市からは誰も職員が来ておらず、現地スタッフもいるのか、いないのか、よくわからない状態でした。
こ、こ、これが堺のPR?堺の国際交流???
こんなことなら、やらない方がマシです。
このことについては、当然ながら議会で指摘し、改善を強く求めたのでした。
改善は見られたが
さすがにこのような体たらくを議会で指摘され、永藤市長も「なんとかしないと」と思ったのでしょう。
今年のダナン市のジャパンフェスには、永藤市長自らが出席し、職員も4名が同行。PRブースにはポスターも綺麗に貼られ、2人の職員と、現地の学生スタッフが一所懸命に堺のノベルティを配っていました。開会式前(18時台)からなかなかの賑わいでした。

昨年、私と西議員が訪問しなければ、そして議会で指摘しなければ、きっと昨年のような酷い状態が続いていたことでしょう。そのことを思えば、本当に行ってよかったと思っています。
ただ今回も、指摘すべきことがありました。開会式を終えて20時前くらいに再度堺のPRブースを訪れてみると、ノベルティはすべて配布しきってしまい、すっからかん。フェスティバルはまさにこれから!という時なのに。
職員に聞くと、ノベルティは職員がスーツケースに詰め込んでハンドキャリーしたそうで、たくさんの量を持って来れなかったようなのです。
どうやら経費の問題のようですが、そんなところケチらずに、別で輸送しようよ・・・・と思うのは私だけでしょうか。
輸送費用なんて、市長含む5人分の派遣費用に比べればたしたい額ではありません。わざわざ日本から来た職員がPRブースで手持ち無沙汰になる方が、よほどもったいない話です。
市長のプレゼンから見えなかったもの
ジャパンフェスに先立ち、永藤市長のプレゼンやスピーチを聞く機会が3度ありました。

ダナン市の人民委員長(※1)および、祖国戦線ダナン市委員会の副委員長(※2)との会談、そしてダナン市と友好関係を結ぶ日本の自治体関係者や日系企業と現地関係者が集まる「ミートジャパン」という国際会議でのことです。
挨拶の冒頭はベトナム語で、そして終わりには台本にない、現地でのエピソードを少し加えるなどし、お世辞抜きに永藤市長のプレゼンやスピーチは、とても気が利いたものだったと思います。
ただ、その中身はと言うと、「ダナン市との交流で何をしたいのか」がまったくわからない、非常に抽象的なものでした。
堺とダナンの歴史について語る。
千利休など堺の精神について語る。
「具体的な交流をしましょう!」と呼びかける。
しかし、その具体的な中身の提案がない…。といった具合です。
私たち議員は、これらの会談・会議では同席するのみでしたが、それに先立って、訪問議員団5名で(市長のいない場で)、ダナン市の外務局の局長と会談していました。
そこではダナンが環境政策を進める上で、「市域でのCO2の排出量の算出において、堺市にはノウハウがあって協力ができる・・・」などと、私たち議員団は、かなり具体的な話をしていました。
(※1)市長のような立場だそうです。
(※2)市民の声を集約し、行政に届ける有力な政治組織だそうです。
わかりやすい他市の想い
一方で、同じく国際会議でプレゼンした他市の首長の想いは非常にわかりやすく具体的でした。
和歌山県の紀の川市は、特産品の桃を持ち込んでふるまっていました。

※桃に舌鼓を打つお偉いさんたち
特産品を世界に向けて広くPRするよりも、ダナン市とのパイプを使って、狭くとも深く売り込みたいと考えたのでしょう。いい戦略だと思います。
千葉県の木更津市は、成田空港との距離や、アクアラインを使った羽田や観光地の横浜とのアクセスの良さをPR。人口300万人超で経済成長するダナンからの観光誘客を目指していました。
長崎県の五島市は、ダナンの子どもたちを招いての事業の実績をPRし、このような人的交流の継続、拡大を目指しているのがよくわかりました。
それに比べて堺市は・・・??
「ダナン市との交流を通じて、何を目指しているのか、何を得たいのかがわからない」
同席した議員の共通した意見でした。
手土産は大事な外交儀礼
細かい話のようで、印象深かったことを一つ。
それは、市長の現地への手土産です。
中身まではわかりませんが、ダナン市の会談相手からは、立派そうなプレゼントが永藤市長に手渡されていました。

※人民委員長からのプレゼント
一方で、永藤市長から先方への手土産はというと、
人民委員長(市長級)には、小さな箱のお線香とお線香台、
祖国戦線ダナン市委員会副委員長には、手ぬぐい一枚です。
て、て、手ぬぐい一枚!????
堺の名産の注染和晒の手ぬぐいなので、一般の手ぬぐいよりは高価ですが、それでも2000円程度です。
先方のお土産からは、あまりにも見劣りします。
ちなみに私たち議員団5名からもお土産を持参していました。自腹でお金を集めて用意したのです。それが大きめの箱のお線香と、注染の手ぬぐい5枚です。それをセットにして両者にお渡ししました。
経費で用意した市長の土産が、自腹で用意した議員の土産よりしょぼいってどういうことよ・・・。正直、同席している立場として恥ずかしかったです。
市として手土産の基準額が定められているようですが、ダナン市はこれまでの付き合いから、相手がどの程度のものをくださるのか、想定できていたはずです。せめてそれと同等の金額で用意しないと失礼でしょう。
基準額の見直しが必要だと思いますし、相手によってもう少し柔軟に運用できるようにすべきでしょう。
あと、「外交儀礼」という点では、永藤市長が会談中、先方が話をしている時に手元のパソコンのキーボードをカタカタと叩いていたのも気になりました・・。何かメモをしたのか、調べものをしたのか、、いずれにしても傍にいる秘書がやるべきことであって、相手の目を見ておきましょうよと、私は思います。
私がしたい国際交流
「ダナン市との交流を通じて、何をしたいのかがわからない」と述べましたが、私がしたい国際交流は、人的交流です。
具体的には、アセアンウィークをまずはダナンとの間で復活させること。そして、職員の派遣交流です。
堺市にはコロナ前まで、アセアン各国の学生を民間大使として招く「アセアンウィーク」という取り組みがありました。
民間大使は、堺市民の家庭で2週間ホームステイする。
その間に市内の小学校を訪問し、子どもたちと交流する。
アセアンの文化を紹介する堺市の祭りに参加する。
などなどで、私自身、ベトナムの学生のホームステイを受け入れ、家族一同、素晴らしい経験をさせてもらいました。その時に来た学生とは、今も交流が続いています。私の娘が海外に強い関心を持ったのも、これが大きなきっかけでした。

※8年前にホームステイした学生(当時)のVyちゃんがお子さんとお母さんを連れて、ジャパンフェスの会場にまで会いに来てくれました!
大変素晴らしい交流事業でしたが、永藤市長が直接交流を取りやめ、オンラインのみで細々と続けています(経費削減なんでしょうね)。
私はこの取り組みを、まずはダナン市との間で復活させたいと思っています。
そしてもう一つが職員交流です。
すでに堺市には6000人近いベトナム国籍の市民がいます。一方で、堺市の職員でベトナム語が堪能な方はいないと聞いています。彼らが心地よくここで暮らすためにも、また日本国籍の市民との生活トラブルを減らすためにも、私はベトナム語を話せる職員が必要だと思っています。
こうした職員交流は、実務に役立つだけでなく、お互いの職員の経験とモチベーションアップにもなると思うのですが、どうでしょうか。
これはあくまで私の想いです。
せっかく日越友好議員連盟を作りましたので、超党派で「何がしたい?」をすり合わせ、堺市の漠然とした国際交流を、実のあるものに変えていく力にできたらと思っています。
堺市議会議員ふちがみ猛志

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