民意と議会の役割
一昨日、大阪府の政局に大きな影響を与えるニュースがありました。
自民党の大阪府連の会長に新しく就任した、渡嘉敷奈緒美衆議院議員が、突然「大阪都構想の住民投票容認」と、大阪維新の会への融和路線を表明したのです。
https://www.asahi.com/articles/ASM5C5T8LM5CPTIL01M.html
これまで大阪では、大阪都構想の是非を巡って、維新の会と自民党(やその他の政党)が激しく対立していきただけに、私も大変驚きました。
(ただ、自民党内部でも、この表明には大きな反発があるようで、予断を許さない状況です)
このニュースで私が「大阪の政局」以外に気になったのが、渡嘉敷会長の述べた「今回(大阪ダブル選)の民意を受けて」という、方針転換の理由です。
なぜなら、少数派の民意もまた、民意だからです。
これまで、大阪都構想に反対してきた民意は、どこへ行ってしまうのでしょうか?
※そのニュースを見てのわたしのツイート
何か物事を決める時に、最終的に多数決をせざるを得ないことはあります(都構想においては、それが2015年の住民投票だったわけですが・・)。
しかし、そこに至る過程においては、(都構想に限らず)賛成派は反対派の、反対派は賛成派の意見にできる限り耳を傾け、お互いが妥協できる案を模索するのが、政治のあるべき姿だと思います。
そこで多様な民意を汲んで、それを首長・行政に届けるのが議会の役割です。
今回はたしかに、賛成派の知事が誕生しました。
だからこそ、議会内の反対派の役割が問われるのだと思います。
単純に「賛成か、反対か」ではなく、「どこが、なぜ反対なのか」をしっかりと知事・市長と議会で議論し、反対派が少しでも歩み寄れる案にしてもらうよう努力すべきです。
「賛成派の知事が勝ったから、今まで反対してきた立場を捨てます」であっては、議会の存在価値を否定しているようなものです。
今こそ堂々と議論し、議会の矜持を示してもらいたいものですし、私もわが身に立ち返って、選挙で訴えた一つひとつのことを反芻しています。
※これは、都構想に限らず、二元代表制である地方議会すべてに言えることです。
堺市議会議員ふちがみ猛志