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折り合いをつける努力

先日の文教委員会を終えたあと、私のもとに2人の女性がやってきて、「質問で取り上げてくれてありがとうございました」とお礼を言ってくださいました。

 

その時、「折り合いをつけるのが政治」なんだと改めて実感しました。

 

私にお礼を言いにきてくれた2人は、堺市の学童保育の民間委託(公募型プロポーザル)に反対をしてこられた方々です。

 

一方、私は初当選した年に文教委員会で、学童保育のプロポーザル導入を訴え、その実現のキッカケになった議員でした(と私は思っています)。

本来であれば、蛇蝎のごとく嫌われていても不思議ではありませんし、当時は反対運動の方々から、たくさんの抗議をもらいました。

 

なのに、その方々が私にお礼を言いに来られたのは・・・

 

私は学童保育のプロポーザル推進の立場ですが、そのデメリットもわかっています。だから、プロポーザルの実現を訴えながらも、「でも、こういうデメリットについてはしっかりケアしてほしい」と言い続けてきました。

少なくとも当時の議会で、この件を、プラスとマイナスの両面で議論していたのは、私だけだったと思います。

 

そして、今回の文教委員会でも、引き続きその「デメリット」を解消するよう求めたのです。(具体的には、学童保育の委託期間を3年から5年に延ばすこと)

 

そもそも、1つの政策で「全員が満足」なんてことは、絶対にありえません

しかし、その政策で「不満」に陥った人を放置せず、うまく折り合いをつけ、政策を調整しながら、できるだけ多くの人が「満足」や「納得」に、せめて「不満の程度を小さく」なるようにしていくのが、政治の役割だと思うのです。

 

今回のプロポーザルにしても、学童保育をプロポーザルにしたこと自体は、今でも正しかったと私は思っています。

しかし、それに不満な人の気持ちも分かるし、私自身も「それで100点」とは思っていません。

だから私は、不満が少しでも小さくなるように、あるいは、少しでも100点に近づくように、これからも努力をしていくつもりです。

 

冒頭のお2人がお礼を言いに来てくれたのは、少なくとも「委託期間はもう少し長く」という点については、私と同じ問題意識だったのでしょうし、私とプロポーザルそのものへの立ち位置は違っていても、私の「折り合いをつける努力」を評価してくれたからでしょう。

 

市民の側からしても、入り口のところで「こんなことをした(訴えた)議員はけしからん」と、「〇か×か」で単純に判断してしまうのではなく、その前後の「折り合いをつける努力」にも目を向けてもらえたらと思います。

そういう見方、評価が、建設的な議論と、議員の成長に繋がり、そしてよりよい政策に繋がるのだと思います。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志 

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