ペットの火葬
ペットが亡くなった時、亡骸はどこで、どのように火葬されるか、ご存知でしょうか?
民間の動物霊園で火葬される方もいらっしゃるでしょうが、法律上、「一般廃棄物」に分類される(されてしまう)ペットの亡骸は、各自治体でもその火葬(焼却)を行っています。
で、その方法なんですが…。
それは自治体ごとに違います。
①民間の動物霊園に委託して火葬
②ゴミ焼却場や、斎場などに、動物の専用炉を作って、火葬
③専用炉を設けずに、ゴミと同じ炉で焼却
という3パターンが多いようで、
堺市は、かつては②だったのですが、南区のクリーンセンター(焼却場)が老朽化し、臨海に移設(新設)される際に、③に変わったそうです。
理由はコストダウンです。
新設の際に、「専用炉を作る」のに費用がかかるだけでなく、亡骸だけで焼くのは大変効率が悪く、当時の一般廃棄物全体の0.1%ほどの動物の亡骸に、実に20%ほどの量のガスを消費していたようです。
そこで堺市は「ゴミと同じ炉」を選択した上で、亡骸をごみピットに入れてしまわず(ごみと亡骸がまざらないようにし)、個別に手積みで、焼却炉のベルトコンベアーに載せるといった配慮をしているようです。
ただ、この手の話がどうあるべきかについては、税の使いみち以前に、死生観、宗教観、過去にペットを飼った経験などによって、人それぞれ考え方も変わってくるものだと思います。
その上で私は、「どうあるべきか」もさることながら、「堺市ではこうしていますよ」というのが、当事者にハッキリと伝わっていることが、より大事だと思っています。
それができていなかったがゆえに、先日、一人の女性が、私に涙ながらに訴えに来られました。
彼女は大事にしていたペットが亡くなり、堺市では当然、専用炉で火葬しているもの(②)と思い込み、火葬してもらったものの、後になって、そうではなくゴミと同じ炉で焼却した(③)と知り、ペットに「申し訳ないことをした」と涙したのでした。
事前に③だと分かっていれば、そのようにはせず、自分でお金を払ってでも、民間の動物霊園に火葬してもらったことでしょう(そうおっしゃっています)。
そこで確認した、堺市が亡骸を預かる保管所の案内がこれ。
そりゃ、これだけで「ゴミと同じ炉で焼却(③)」なんて、わからないですよね。
そして、それを当局に指摘した翌日に、このように。
※赤枠は私が追加。文面は「動物専用の火葬施設はありません。ごみの焼却炉と同じ炉での焼却となります。」
些細なことのようですが、死生観や宗教観にも関わるような話だけに、相手の気持ちになって、誤解のないようにしたいものです。(当局の即応には感謝したいと思います)
「どんな行政サービスを提供するか」も大事ですが、それ以上に「市民にそれをどう伝えるか」の方がもっと大事。
私は常々そう思っていて、これまでもブログに何度か書きましたが、これもその一例だと思います。
もちろん、案内にこの2行を追加して終わることなく、ペットの火葬が本当にこのままでいいのか、①や②などのやり方ができないか、しっかり検討していきたいと思います。
個人的には、受益者負担のもと、①という選択肢を設けるのがいいと思っています(大阪市がそうです)。
堺市議会議員ふちがみ猛志