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提案が実現した薬物依存症対策

こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。

 

1年半ほど前、議会で提案した取り組みがあります。

 

堺市で依存症患者の相談を受けているこころの健康センターと、保護司会との連携。もう一つが同センターの相談員が、刑務所に出向いて、出所前の薬物受刑者とつながること。

 

この2つは提案から半年を待たずに実現しました。(同センターの皆さんのクイックアクションには感激です)

そして先日、私は保護司会との連携事業として実施された、薬物依存症に関する研修会に一人の保護司として参加してきました。

今日は改めてこの薬物依存症について書こうと思います。

 

提案のきっかけ

多くの福祉施策がそうですが、市民の側から相談なり、お願いにやって来たら支援が受けられるものの、自分から役所に行かなければ何もない。

 

というのは、役所の中でよく起こることです。

 

そこで最近では、役所の側から困っている人に接触を図り、支援に繋げる「アウトリーチ型の福祉」が求められています。そんな流れを受け、依存症の相談窓口でもある「こころの健康センター」にも、そのアウトリーチを求めたわけです。

 

でも、依存症患者なんてこのまちのどこにいるかわからない・・・。

 

いや、少なくとも薬物に関しては、確実にいる場所がわかっています。刑務所の中です。

そして、確実に薬物依存症患者に接触している人がいます。保護司です。

 

そこで私は、刑務所を通じて直接つながること保護司を通じて間接的につながることを求めたのでした。

 

※詳細は提案当時のブログ「薬物依存症とアウトリーチ型福祉」をご参照ください。

https://fuchigami.info/%e8%96%ac%e7%89%a9%e4%be%9d%e5%ad%98%e7%97%87%e3%81%a8%e3%82%a2%e3%82%a6%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%81%e5%9e%8b%e7%a6%8f%e7%a5%89/

 

保護司として関わってきた薬物依存症患者

私は保護司です。罪を犯した方や非行少年らの更生を支援する非常勤国家公務員(ボランティア)です。

 

私が保護司になってもうすぐ6年ですが、この間にのべ8人の対象者を支援してきました(現在進行形もあり)

 

うち3人が覚せい剤で、1人が大麻です(大麻のケースは、窃盗が主たる罪状でしたが)

よって、半分が薬物関連ということになります。

 

そして、薬物依存症がいかにその人だけでなく、家族や周囲の人たちの人生を狂わしてしまうのかを、目の当たりにしてきました。

また、同時に保護司としての限界も感じてきました(現に、再犯をしてしまったケースもありました)。保護司は決して医療的、心理的なアプローチのプロではありませんし、何より、保護観察期間という「期間限定の関係」に過ぎません。

 

薬物依存症は一生の問題です。

専門的かつ継続的な支援が必要なのです。

 

突然やってくる薬物ケース

先日のこころの健康センターによる薬物依存症の研修を受けた後、親しい同年代の保護司さんと「そういえば、保護司になった時の研修に、薬物のことってありましたっけ?」なんて話になり、「いやぁ、覚えてないですねえ、、、」と。まあ、そんなものなんです。

もちろん立派で専門的知見をお持ちの先輩保護司もたくさんいますが、しょせんはボランティアですからね。

 

なのに、突然やってくるんです。

保護観察所からの電話が。「薬物犯なんですが、お願いできますか?」と。

 

前述の研修会でも、講師から参加の保護司に「こころの健康センターをご存じですか?」との問いかけたところ、手をあげた方はざっと6~7割(のように見えました)。ご存じない保護司さんも多いのです。それでもこの日の研修会はベテランの方が多い会でした。

 

ある日突然受け持つことになる薬物ケース。

できれば経験の浅い保護司の方々にこそ、こういう研修の機会があればと思います。

深い知識を得られなくたっていいと思います。対象者に「しんどくなったら、こころの健康セターがあるよ」と言えるだけでもいいと思うんです。

満期出所だと保護司はノータッチ

保護司が関わるのは、保護観察付きの執行猶予のケースと、刑務所を仮出所したケースです。

満期出所の場合、つまり(言い方はよくないのですが)模範的でない受刑者、何度も刑務所に出入りしている受刑者など、より手厚い支援が必要な方に限って、保護司はノータッチなのです。(※一部執行猶予の満期出所を除く)

 

そこで提案したのが、刑務所内へのアウトリーチでした。

 

これについても、こころの健康センターはすぐに取り組んでくれました。そして、全国の刑務所等が所在する自治体の全国会議で、先進事例としてそれが発表されたとも聞いています。

 

もちろん、何度も薬物に手を染めてしまうような方々です。一筋縄でいくとは思えませんが、それでも事前に相談員の顔と名前が分かっていれば、少しくらいは相談へのハードルが下がるのではないでしょうか。

 

成果はたった一人だけど

先日の研修会の場で、こころの健康センターの職員がこの刑務所に出向く取り組みについて、私に耳打ちしてくれました。

「そこから支援につながった人がまだ1人ではありますが、いるんです」と。

 

1人!!!たった1人です。

 

でも、嬉しかったですね。

たった1人でも、その1人の薬物依存症患者とその家族の人生が、いかに過酷かを私は多少なりとも知っていますから。

 

そして、薬物依存症は時に知人・友人をそこに巻き込むこともある病気であり、反社会勢力などとも繋がりやすい社会の病巣でもあります。

 

もちろん、こころの健康センターが支援したとて、確実に救えるわけではありませんが、もしその1人を救えたならば、現在と未来の何倍もの人たちを救うことにもなるはずです。

 

費用対効果?労力対効果?

行政の場でそんな言葉がよく使われる昨今ですが、少なくとも福祉はそうであってほしくないです。

 

費用・労力・効果では推し量れない、困難を抱えた一人ひとりの人生に本気で向き合える堺市の福祉行政となることを願ってやみません。

そして、この薬物依存症対策の取り組みがその一つになればと思っています。

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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