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これぞタッチポイントの好例

これまでも何度か「タッチポイント」について議会で取り上げ、このブログにも書いてきました。

 

改めて申しますと、タッチポイントとは「顧客との接点」のことです。

例えば何かを宣伝する時に、あたりかまわず手当たり次第に宣伝するのではなく、その商品を欲している人、「欲しいな!」と思ってもらえる瞬間にアプローチすると、的確に購買に繋がります。

 

下痢止めの薬の宣伝のシールを、公衆トイレの便の個室に貼ったところ、よく売れた。

という話があるそうです。(広告業界いた西議員から聞きました)

公衆トイレに駆け込んだ人がそれを見れば、「これさえあれば」と思いそうですよね。

なるほど、と思います。

 

行政は色んな啓発活動をしています。

また、様々な市民サービスの存在を市民に伝えるために、様々な広報媒体を活用しています。

その時に、このタッチポイントの意識が重要です。

このことを議員になってから、(西議員に加勢して)何度もこの意識醸成を訴えてきました。そして、その好例も増えてきました。

 

ドラッグストアの妊娠検査薬のコーナーに、「妊娠SOSダイヤル」のポップを出してもらったり、

離婚届の用紙を取りに来た人に(提出ではなく)、離婚後の養育費や面会交流についてのパンフレットをお渡ししたり。

そんなことがなされるようにもなってきました。

 

そして今回、新たな好例を発見しました。

それは、小学校で行われた「いのちの授業」を見に行った時のことです。

(「いのちの授業」については、過去ブログをご参照ください)「https://fuchigami.info/%e6%80%a7%e6%95%99%e8%82%b2%e3%81%af%e6%99%82%e4%bb%a3%e3%81%ae%e8%a6%81%e8%ab%8b/

その日は参観形式だったので、私も含め多くの保護者が見に来ていました。

 

そこで配られていたのが、これです。

乳がんのセルフチェックシートです。

 

小学校4年の保護者(特に母親が多い)が集まります。

年齢としては、30代後半から40代の方が中心で、まさに乳がんを意識すべき年齢層です。保健センターでは、あちらこちらで乳がんのセルフチェックの啓発を行っていますが、ここでならば、効率的にターゲット層に配布できます

 

そして何より、子どもの「いのちの始まり」の話を聞かされる場なのです。

私もそうでしたけど、子どもの命がいかに奇跡だったかに触れ、「子どものためにも、自分の命、健康も大事にせねば!」という意識が高まった方が多いはずです。

普段受け取ったところでスルーしてしまう方も、こんな時ならば、「実行しよう」と思うかもしれません。

 

乳がんの啓発をするには、非常にいい「タッチポイント」だと思いました。

 

当日は、「いのちの授業」のサポートに保健センターの職員が来られていました。

保健センターに確認すると、センターとしての取り組み(マニュアル)ではなかったようですが、当日の職員さんが思いついて、持参され、配布されたようです。

その方が「タッチポイント」という言葉をご存じかどうかはわかりませんが、少なくとも、自然とそれを意識できている方なのでしょう!

 

誤解を恐れずに言えば、私は、「堺市の提供している市民サービスは、すでに充実している」と思っています。(もちろん、もっと充実させる余地はいくらでもあります)

ただ多くの場合、そのサービスが必要とする市民に的確に伝わっておらず、それが大きな問題なのです。

しっかり伝わることが、市民満足度の向上に繋がりますし、そのためには、職員1人ひとりがこのタッチポイントの意識を高める必要があります。

 

今回の保健センターの職員さんのような好例を、ぜひ組織に展開して、「いのちの授業で保護者が来る場合は、必ず〇〇を」「××の場には、■■を」「〇〇の場では、どんな情報が刺さるだろうか」と、貪欲に啓発、宣伝に活用してもらいたいと思います。

 

保健センターの職員さん、改めて…、グッジョブです!!

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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