オンライン投票を求める意見書に反対した理由
本日、8月議会の最終日でした。
毎議会、最終日には各会派から出される意見書の採決があります。
意見書とは、堺市(地方自治体)の力ではどうしようもないことについて、国や広域自治体(大阪府)に意見するものです。
地域経済のためにもっと予算を・・。とか、
〇〇について法整備を・・。とか。
国政政党が地方議会を使って声を上げさせる、という側面も少なからずあり、各政党のカラーが出ます。
さて、本日も8項目の意見書の採決があり、そのうち2つに反対しました。
「え?なんで反対?」と思われる方もいるかもしれないので、2回のブログに分けて説明させてもらいます。
まずは、維新の会が提出した「オンライン投票の環境整備を求める意見書」です。
これは最終的に維新以外のすべての会派が反対し否決をされたのですが、実は私も一昔前までは「オンライン投票を推進すべき」と思っていました。
自宅でも投票できて便利だし、投票率もアップしそうですからね。
しかし、なぜそんな私が反対するようになったのか。
それは、このイラストがすべてを物語っています。
自由意思による投票を保障できないからです。
自宅でも、どこでもオンラインで投票できるようになれば、誰かが投票するところを見張ることができてしまいます。
現在の投票所での投票では、一緒に付いていくことはできても、最後に投票用紙に記入するところまでは、他人が見ることはできません。
最近では、携帯のカメラで名前を書いたところを写真に撮る人もいますし、「〇〇に投票した証拠として写真を撮るように」と圧力をかけることはできますが、それでも、写真に撮ったあとに二重線で消して、意中の候補者に書き直すことはできます。
最終最後は、自由意思での投票ができる、他人が干渉できない、そのような形になっているのです。
この1点のみでも「オンライン投票は難しい」と私は思っています。
なお、本日の本会議では、西哲史議員から「投票の再集計ができない」等の信頼性の問題も指摘されていました。
もちろん、未来永劫不可能だとは言いませんが、「自由意思による投票の保障」、「投票の再集計等、検証の可能性の確保」という、最低2点をクリアするテクノロジーが開発されないと、議論のテーブルには乗せられないと思っています。また、投票率アップの取り組みは、何もオンライン投票だけではありませんから、その点については積極的に議論していきたいと思っています。
堺市議会議員ふちがみ猛志