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ビジョンを作れと言うが…

「堺東のビジョンがない」

「ビジョンをつくれ」
これは、維新の会が現市政に対する批判で、よく聞かれるものです。
私も、このことについては、概ね同意見です。
※私の場合、「ビジョンがない」というより、「ビジョンが見えにくい」と感じていますが。
さて、そんな中、これもまた気になるやり取りがありました。
維新の会の札場議員が、連続立体交差事業(鉄道線路の高架化)について取り上げた時のこと。
札場議員は、連続立体交差事業の重要性や、高野線の高架化が堺東のまちづくりに与える影響を説明し(ここまでは完全同意見)、しかしその上で、「高野線より阪和線を優先すべし」という主旨の議論を展開しました。
「阪和線の高架化も大事」ということは否定しません。
また、西区選出議員(地元の有権者の声を議会に届ける立場)として、「阪和線を優先」も理解できます。
しかし、堺区選出の議員も含め、この「阪和線優先」が、維新の会の総意と捉えていいのかどうか、私は気になりました。
「堺東のビジョンをつくれ」という一方で、堺東のビジョンづくりに大きな影響を及ぼす、高野線の高架化に対し、「後回しにせよ」と言われたら、当局も「じゃあ、どうやってビジョンをつくればいいのか?」と困惑したのではないでしょうか?
私は、高野線の高架化なくして、堺東のビジョンづくりはないと思っています。
高野線の高架化が完成する時期を、大きなマイルストーンとして、「その時にどんな堺東にするのか」というビジョンを作るべきだと思っています。
維新の会は、東西鉄軌道(LRT)の設置を主張しています。
しかし、そのLRTも、高野線の高架化がなされなければ、堺駅(あるいは堺浜)から堺東駅まできて、そこでストップです。
高架化がなされていれば、JR堺市駅や、あるいは新金岡方面まで延ばすことも可能で、LRTの議論の幅も、一気に広がります。
※私はLRTではなく、高野線を高架化した上で、堺駅〜堺東駅〜堺市駅のシャトルバスを想定しています。
連続立体交差事業は、10年単位の事業です。
20年以上かかることも、珍しくありません。
高野線より阪和線を優先した場合、高野線は何十年先になることでしょう。
彼らのいう「堺東のビジョン」とは、何十年先のビジョンでしょうか。
それとも彼らは、高野線の高架化を視野に入れずに、堺東のビジョンを描いているのでしょうか。(別に、それならそれで構いませんが)
「ビジョンをつくれ」という常套句を言い続けるために、ビジョンに不可欠な高野線高架化を後回しにせよと言っているのか?
現市政のやることなすことに反対、つまり反対のための反対か?
と、つい勘ぐってしまうわけですが、、、
まさかそんなはずはないでしょう。
「堺東のまちづくり」も、その前提となる「ビジョンづくり」も、さらにその根本となる「高野線の高架化」も、すべて重要です。
一度、この辺りの見解について、委員間討議でもしてみたいものです。

堺市議会議員  ふちがみ猛志

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