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啓発展示はやることが目的ではない

先日、市役所の本館1階ロビーで「さかいSDGs展」が開催されていました。(12月1日に終了)

SDGsは、(すでにご存じの方が多いと思いますが)この世界が持続可能なものであるために何が必要なのか、その17の目標を示したものです。

国連が主導する世界的な取り組みですが、わが国でも日本政府としてだけでなく、各自治体や民間企業も、積極的にこの取り組みを進めています。

 

しかし、この17の目標は、平和、人権、貧困、環境等に関するものが多く、人によっては「遠い話」と思いがちです。

 

今回の「さかいSDGs展」のパネルは、泉北高校の生徒たちが作ってくれたそうで、「どうすれば身近な問題として捉えられるか」・「どうすれば市民が行動に移せるのか」という点で、非常にわかりやすく作られていました。

これからの世界を担う、ある意味「世界の持続可能性」に一番影響を受ける若者が参加したこと自体、大変素晴らしかったと思います。

 

さて、本題はここからです。

 

実は私が「さかいSDGs展」を見た11月26日の時点で、堺市役所内では、

 

・人権週間の啓発

・犯罪被害者週間の啓発

・オレンジ&パープルリボン運動の啓発

がなされていました。

「さかいSDGs展」を含めて、4つの啓発展示がなされていたわけです。

 

「さかいSDGs展」は、本館に入って左側だったのですが、「人権週間」の啓発展示の向こう側で、やっていることすらわかりづらくなっていました。

 

上記の4つの啓発展示は、いずれも行政として積極的に取り組みべき重要なもので、優先順位は簡単には付けられないわけですが、すべて「見てもらってナンボ」です。

「展示してナンボ」ではありません。

 

また、この手の展示は、「わざわざ見に来る人」は、そのテーマについて始めから意識の高い人であり、そうではない人に「偶然目にして見てもらう」というのが、啓発活動にとってはより重要ではないかと、私は思うのです。だから、不特定多数の人が行き来する市役所で開催することには、意義があるのです。

 

上記の「人権週間」は本館でやっていましたから本館に来た人だけ、

「犯罪被害者週間」は高層館なので高層館に来た人だけ、

「オレンジ&パープル・・」は本館と高層館の間の通路だったのでそこを行き来した人だけしか、気づきません。

「さかいSDGs展」に至っては、人権週間の裏側だったので、「本館に来て、かつ、人権週間の展示の裏側に回り込んだ人」にしか・・・、という具合です。

 

また、本館には西出入口、東出入口がありますが、いずれもロビーを通過せず出入りできますので、ここで出入りした市民は、いずれの展示にも気づかないことでしょう。

 

だから、それぞれの出入口にこんな案内をしてはどうかと思うのです。

以前、ブログに「役所は政策を作ることには一所懸命だけど、市民にそれを知らせることにはいい加減になりがち」という主旨のことを書きました。この啓発展示にも、同じような感想を持ちます。

 

今回の件については、総務局に対応をお願いしましたところ、すぐにこのような案内表示を貼り出してくれました。

もちろん、私が言いたいのは「さかいSDGs展」に限った話ではありません。

 

速やかな総務局の対応に感謝しつつ…

ぜひこれを機に、他のイベントも含め、来庁者に伝わりやすい案内を設置してもらえたらと思います。

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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