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吉村さんが一番悪質ではないかという疑念

先のブログで文書通信交通滞在費について書きました。

「10月にたった1日国会議員になっただけで、1ヶ月分の100万円が支給された」というのは、世間に衝撃を持って受け止められました。そりゃ、そうですよね。

 

ただ、そもそも「1日だから問題だけど、10日間なら問題ない」なんてことはないわけです。

2017年の総選挙は10月22日に実施されました。その時は「10月は10日間で1ヶ月分支給」だったのです。2014年の総選挙では「18日間で」、2012年は「16日間で」、2009年に至っては「2日間で」だったのです。

要するに、「日割りではない。ゆえに途中からでも1ヶ月分まるまる支給される。」という実態はずっとそうで、今回初当選の方以外は、おおよそすべての国会議員が知っていたはずです。

今回それがたまたま「たった1日で」となり、世論が大騒ぎになりましたが、そのようになりうることを皆が放置し続けてきたのです。

だから私は、新人議員以外がこの制度についてあれこれ批判するのは、いかがなものかと思います。あなた、知っていたでしょ。ほったらかしにしてきたのでしょ。ということです。

 

しかし、その中でも、より悪質ではないかという疑念が拭えないのが、吉村大阪府知事です。

「放置してきた」というより、「利用した」という疑いがあるからです。

 

すでにメディアでも報じられていますが、吉村大阪府知事は、2015年の大阪市長選挙に立候補するあたり、衆議院議員を辞職していますが、その辞職日が「10月1日」。なんとこの1日だけで、ちゃっかり100万円の文書通信交通滞在費をゲットしているのです。

 

しかも、選挙日程上「1日だけ」とならざるを得なかった今回の新人議員と違い、吉村知事(当時:衆議院議員)は、自ら10月1日という辞職日を設定しています。自ら「1日だけ」にしたのです。

報道によれば、9月下旬には意思を固めていたようですし、9月27日には国会も閉会していますから、辞職日を10月にする理由など、何もなかったはずですが・・。いや、あったとすれば、「1日で100万円ゲットできるから」だったのではないかと、思わずにはおれないのです。

 

今回の問題で、少なからぬ政党が、「新人議員に100万円を寄付させる」としています(制度上、返金ができないから)。一方、れいわ新選組の大石議員などは「活動に使う」と明言されています。

このことには、橋下徹さんあたりが猛烈に批判していますが、(日割りがないという)現行の制度に従って支給されたもので、そういう制度になっていることについては、新人議員の彼女には何の責任もありません。また何より、政治活動(のうち、文書通信や交通費)にちゃんと使ってくれるのであれば、この制度の立法主旨に何ら反するものではありません(もちろん、領収書が不要だからと言って、別の目的に使うのは論外ですが)。

現職議員も、毎月、毎月100万円ずつきっちり使っているのではなく、翌月に持ち越したりもしながら使っているわけですから、彼女にもこの先、適正に使ってもらい、そしてその活動が国民、市民のためになれば、それでいいと私は思います。

 

ところが前述の吉村知事のケースは違います。

彼は10月1日に国会議員をやめていますから、支給された100万円をそれ以降に適正に使いようがないのです。まさか、辞職願を出したその日に100万円を適正に使い切ったなどということは、ありえないでしょう。

ほぼ確実に言えるのは、吉村氏は当時、「文書通信交通滞在費を、在職1日で100万円受け取り、かつ、制度の主旨にそぐわないことに使った」ということです。

そのあとの大阪市長選に使ったのか、遊興に使ったのか、それはわかりませんが、まさか今日まで100万円の現金を使わずに、引き出しに閉まっていたなんてことはないはずです。

 

今さら「寄付する」などと言ったところで、「制度を悪用して受け取り、かつ国会議員活動以外に使った」という疑念は、本人がちゃんと説明しない限り、拭えるものではありません。

 

情報サイトLITERAによれば、吉村氏は辞職の直後に、ネット番組の鼎談でこの文書通信交通滞在費について、「第二の財布」「ウィークなところ」などと述べていて、制度のことをよく理解していたことを匂わせています。

https://lite-ra.com/i/2021/11/post-6077-entry_2.html

 

また、それまでは毎月の使途について、自主的に公開していたにも関わらず、問題の10月分だけは未公開です。

 

これらの点からも、先に述べた疑念は、一層膨らむわけです。

 

「ブーメランが刺さった」などという話だけでごまかさず、「なぜ辞職日を10月1日にしたのか」「100万円を何に使ったのか」、先頭を切って批判をしてきた問題ですから、しっかりと説明すべきでしょう。

また、メディアも指摘していくべきでしょう。

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

 

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