多様な子どもたちに多様な居場所を
議会前の慌ただしい中、本日午前いっぱいを使って、京都市立洛風中学校を視察してきました。
ここは、全国でも珍しい、公立の「不登校を経験した生徒のための学校」です。
堺でも、スプリングポートという、適応指導教室があり、学校になかなか馴染めない生徒の居場所となっています。
ただしこれは、あくまでも、元にいた学校に戻ることを目的とした指導・援助の場であり、完全に転籍した上で、不登校経験者に即した指導をし、卒業まで見守っていく洛風中学校は、全く目的の違うものです。
「不登校」というと、どことなく暗いイメージがあるものですが、ここに来てみると、環境を少し変えてあげることで、子どもたちが子どもらしく、明るく過ごせるようにもなるということが、よくわかります。
その環境づくりには、様々な工夫がなされていました。
何か問題があった時に、すぐに先生と生徒が、落ち着いて言葉を交わせるよう、廊下や、階段の踊り場にまで、コミュニケーションスペースが設けられています。
カリキュラムも余裕を持ったものになっていたり、
毎朝必ず、職員室の隣のコミュニケーションルームで、先生とマンツーマンで顔をあわせるようになっていたり、
とにかく、生徒の変化にすぐ気づき、生徒もすぐに休める、そんな学校でした。
そこでの校長先生のお話は、大変興味深いものでした。
「学校復帰が、不登校の解決ではないんです」
不登校には、「学校になんて行ってる場合じゃない問題がある」んだと。
その問題を抱えたまま、無理やり学校に復帰させても意味はない。
その問題をみつけ、生徒に寄り添い、それを解決してあげることに意味があるんだと。
社会が多様化し、子どもたちが抱える問題も多様化しています。
ゆえに、子どもの居場所も多様であるべきです。
こうした先進的な取り組みは大変参考になりましたし、同様に、問題を抱えた子どもの居場所として、堺では自立支援施設の設置を進めているところです。
ぜひ、子育てのまち堺として、これを進めると共に、適応指導教室でカバーしきれない子どものために、「不登校生徒のための学校」を検討していきたいと思います。
堺市議会議員 ふちがみ猛志