子ども食堂 行政がやる意義
子ども食堂に関して、
「行政がやる必要あるの?」
という声が、私のもとにも届いている。
おっしゃることは、わからなくもない。
すでに実施している、民間団体があるわけだから。
しかし私は、今回のモデル事業のスタートに前後して、「行政がやる意義もあるんだな」と強く実感するようになった。
それは、多くの市民が、これをきっかけに、子ども食堂に関心を持ち、関わろうとし出したこと。
「スタッフとして手伝いたい」
「寄付したい」
「自分でやってやろう!」
等々。
行政がやるがゆえの発信力や、事業に対する信頼性もあるわけで、そのあたりが、こうした心ある市民の皆さんの思いを喚起したのだと思う。
こども食堂を単純に、「子どもたちに食事を食べさせる事業」とだけ捉えるならば、できる民間団体は少なからずあるだろう。
しかし、本来の目的である、「食事をきっかけにして、地域全体でこどもを支える社会をつくること」に主眼を置くならば、一定程度、行政が力を貸すことが近道ではなかろうか。
「子どもたちのために何かしたい」と思っていても、「そもそも子ども食堂の存在を知らない」、「それが近隣にあることを知らない」、「あってもそこに飛び込むのはためらう」といったあたりが、普通だろう。
その点、行政が情報を発信すること、行政がかかわることで、広く市民に知れ渡りやすいだろうし、かつ、市民からアプローチもしやすくなるだろう。
こうして、多くの市民が子ども食堂に参画し、近隣住民と、(家庭などに問題を抱えていることの多い)子ども食堂利用児童がつながることは、子どもにとっても非常に意義のあることである。
お金を出すだけが行政の仕事ではない。(もちろんそれも大事だが)
とりわけ、この子ども食堂事業においては、そうした市民の小さな善意と、子どもたちをつなぎ、形にしていくこと。
ここに行政ができる大きな役割と意義があるのだと、私は思っている。
堺市議会議員 ふちがみ猛志