幽霊ビルか、将来への期待か
堺東の一等地にある、ジョルノビル。
この度、建て替わることになり、完全閉店となりました。
24階建ての高層ビルに生まれ変わります。
地下から4階までが商業施設、それより上がマンションです。
床面積の大半がマンションであることには、あれこれ意見があるでしょうが(私も思うところがないわけではないが)、8階建てで、テナントがガラガラだった最近の状況よりは、明らかな改善と言えるでしょう。
建て替えに期待する人も少なくありません。
私もそれなりにはしています。
さて、そんなジョルノビルは今、こんなかんじです。
真っ暗で、言葉はわるいですが、幽霊ビルのような状態です。
解体工事に向け、完全閉店しているのだから、真っ暗なのは仕方ありません。
じゃあ、せめて、
「ジョルノビルは平成32年に生まれ変わります」
みたいな垂れ幕でもできないものでしょうか?
堺市民の大半がジョルノビルが建て替わることを知っている、というわけではありません。
まして、市外からの来街者は、まず知らないでしょう。
そんな方が、堺東で、今のジョルノビルを見たらどう思うでしょうか?
「堺の一等地が幽霊ビルとは、堺の未来は、、、」
と不安に思うことでしょう。
一方で、生まれ変わることがわかれば、「今よりも良くなるのではないか」という希望が湧いてきます。
泉州地域で家を探している人がいれば、「こんな駅近のマンションなら、できるまで待ってみようか」と思うかもしれません。
行政がやることは、何年、あるいは何十年というスパンでやる事業が多く、市民が期待をもってそれを見守ったり、ましてや協力していくためには、将来ビジョンを示すことが肝要です。
ビジョンと言っても大げさなものではなく、先述の垂れ幕のように「建て替わるんだ」「ほったらかしではないんだ」という程度でも、何も知らないよりは、よほどいいのです。
「自分たちは計画を知っているから」という態度ではいけません。
行政マンが思っているほどに、市民には情報が伝わっていないものです。
情報発信にほんの少しの努力することで、不安が期待に変わり、反発が協力に変わることもあるのです。
ジョルノビルの解体工事が始まるまで、あと三ヶ月ほど。
完全に解体されるまで、さらに数ヶ月はかかるでしょう。
今からの約半年間、「幽霊ビル」「廃れた堺東の象徴」なんて思われてしまうのか。
あるいは、「期待の再開発事業」「堺東再興の象徴」と思ってもらえるのか。
できる限り後者であるように、ほんの少しくらいの努力は、惜しまないでもらいたいものです。
また、開発会社任せにせずに、堺東全体のイメージに関わることなので、当局もしっかり対応してほしいと思います。
なお、同様の趣旨で、市役所前広場の工事現場も、真っ白な壁で覆うのではなく、せめてそこに完成予想図くらい掲示するよう、当局に求めました。
これも市民は、「なんだろうか?お決まりの年末の公共工事か?」くらいに思ってるかもしれませんよ。
堺市議会議員 ふちがみ猛志