政治への関心と距離
長年、駅でビラ配りをしていて、各世代の男女で、政治への関心がどう推移していくのか、それなりに感じるところがある。
これから書くのは、あくまでの私の感覚、それもビラ配りをする上での感覚であって、別にデータを取ったわけでもなく、投票率と整合性を取ったわけでもないことを、事前にお伝えしておく。
一番、政治への関心が薄いのは、「若い女性」のように感じる(感じてきた)。
私が男性議員(候補者)ということもあるかもしれないが、それに比べると、「若い男性」の方が、関心を示すケースが多い(ビラを取る、演説に耳を傾ける、目線をこちらに向けるなど)。
一方で、高齢になると、女性の方がより関心を示すようになる。
もちろん男性も高齢になるほど関心を示す度合いは高まるが、女性の方がその高まりが急で、どこかのタイミングで男性を抜く。
では、どこで抜くのか?あるいは、どこで急に女性が政治に関心を示すようになるのか?
私の推理であるが、それは「子育てをし、ひと段落ついたころ」ではないだろうか。年齢にして、40代後半から50代。
繰り返すが、これは私のビラ配りをする上での「感覚」である。もちろん、配る相手に年齢や子育て経験を訊いたことなんてないし、見た目による私の推測である。
ただ、この推測には結構自信があって、やはり子育てをする間や、その前後の休職・離職・復帰などの間に、社会のいろんな矛盾や、制度の不備にぶつかることも多いし、「わが子の将来はどうなるか」と思いを馳せることも多いはず。
しかし、例えば子どもが小さいうちは、毎日の生活、子育てが忙しく、政治になんて関心を寄せる暇なんてない。
それが、子どもが大学に行ったり、あるいは就職したり、それなりに手を離れてきたころに、過去の子育て中の経験から、政治への関心がグッと高まるのではないだろうか。
一方、男性ももちろん子育てに積極的にかかわる人は増えているが、女性のそれに比べると変化は小さいし、育休を取る人も少なければ、子育てを理由に離職する人なんて、本当に少ない。だから、女性に比べ、意識が急激に変わっていくこともない。
以上が私の推測である。
しつこいが、投票率などとは別で、あくまでビラ配りをする上での感覚。
つまり、駅立ちなので、たいていは男女とも、「仕事をしている人」が多く、必ずしも「社会全体の政治への関心の変遷」とは整合しないと思う。
さて、これまでそんなことを感じ続けてきたわけだが、ここ最近、少し変化が出てきたように感じている。
これも私の感覚の話。
若い女性で、関心を示す人が増えてきたように思う。
関心というほどでもないかもしれない。
素通りしそうになって「あ、どうしようかな、一度取ってみようかな」というかんじ。
ちらほらだけど。
これもなぜか考えてみた。
「保育園落ちたブログ」と、その後の騒ぎが、一つの要因じゃなかろうか。
たった一つのブログで、国政が右往左往したことには、私自身、色々思うところはあるが、、、
ああして、現に政治が動き(まだわずかだけど)、その映像には若いお母さん方が映り、テレビやネットで流れ続けた。
「政治に、私たちの同世代の女性が関わっている」
「私たちにも身近な問題が取り上げられている」(待機児問題。ここが昨年の安保の時と違うように思う)
「そして、政治家たちが良くも悪くも反応している」
そんなことを横目に見て、「ほんの少し」だけど、政治に関心を持つ、あるいは「ちょっと気になる」、「気にしてみようかなと思う」という、若い女性が増えたのではないだろうか。なんにせよ、若い人たちが政治に関心を持つのは、本当に大事なこと。
政治に関心を持つ人が増えれば、その程度に応じて、(長い目で見て)必ず政治はよくなると、私は信じている。
私にできることは本当に限られているけど、どのみちいっきに変わることはないのだから、「ほんの少し」「ほんの少し」の連続でしか変わらないのだから、私もその「ほんの少し」ができるようになりたいと、つくづく思う。
名もなき人のブログにだってできたのだから。(たぶん)
堺市議会議員 ふちがみ猛志