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水道料金の記事のお詫び訂正と伝えたかったこと

堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。

 

まずはお詫びと訂正です。

私の議会活動報告最新号(2023新春号)において、記事に誤りがありました。

水道料金に関する記事の中で、「2030年までには値上げすると言うのです」との記載がありますが、正しくは「2030年以降には値上げすると言うのです」です。「までに」ではなく「以降に」です

ここに謹んでお詫び申し上げます。

「値上げ時期はできるだけ先に」と経営努力されている上下水道局の皆さんには、とりわけ申し訳なく思います。

なお、「値上げすると言う」との表現も、厳密には「違う」とのご指摘もあるでしょうが、「(令和8年度(2026年度以降))純損失が継続することから、令和12年度(2030年度)までに水需要が減少する時代に合った料金体系・制度を検討してまりいます」と議会で答弁していますから、これは「2030年度以降に値上げする」と言っているとの同義です。「純損失が継続するから料金を維持する(あるいは値下げする)」なんてわけはありませんからね。

 

そこでせっかくの機会ですから、そもそもこの記事で「伝えたかったこと」を書かせてもらいます。(その点においては、上記の間違いによって大きく内容が変わってしまうものではないと思っています)

それは、前回、前々回の「市長選マニフェストがいい加減だった」ということです。

 

こちらは永藤候補の市長選でのポスターですが、ご覧の通り、「水道料金大幅値下げ」が掲載されています。ところが、この4年間で値下げがされていない(※)どころか、いま打ち出されているのが「将来的な値上げ」なのです。

その「将来的な」の部分については、私は「2030年以降に」とするところ、「2030年までに」と記載してしまったわけで、その点はお詫びする他ありません。ただし、「将来的」の「期間の違い」であって、「公約に掲げた値下げではなく、『値上げ』が打ち出され、それは公約違反では?」という指摘、「そもそも公約がいい加減だったのでは?」という指摘自体は、何も変わらないと思っています。

特にこの「公約のいい加減さ」については、強く指摘したいと思っています。

 

議会活動報告チラシの記事にも書きましたが、永藤市政になって水道料金の値下げに資するものは、

1.令和元年12月からの、1㎥あたり3円の値下げ

2.コロナ禍・物価高対策としての期間限定の基本料金免除

の2つです。

 

1については、竹山市政ですでに内定していたものですから、まさかそのふんどしで相撲を取るかのような公約ではなかったはずです。

2については、選挙時には知る由もなかったコロナと物価高に起因したもので、この原資は国から出たもので、「一時的な財源による一時的な値下げ」ですから、これも公約として想定した値下げではないはずです。

 

つまりは、「公約が想定していた『値下げ』」は達成できていないのです。

では、そもそも「水道料金の値下げ」など可能だったのでしょうか

大阪府内の水道の一元化がかねてより議論され、それが橋下市長時代に頓挫しました。この話をすると長くなるのでここでは説明しませんが、とにかく「頓挫した」のです。これができていれば、大阪市以外においては一定の値下げはできたのでしょうが・・。

もはや抜本的な値下げを実現する方策などほとんどなく、むしろ将来的な水需要の低下の見込みから、「値下げはおろか維持すら困難」というのが常識的な見解だったと思います。そして現に、堺市上下水道局は「将来的な値上げ」を打ち出したわけです。

 

選挙戦の最中には、「水が余っている大阪市から買えばいい」などという暴論も飛び出しました。

また、12月の大綱質疑でこのことを市長に問うたところ、「値下げしたかったが財政危機でできなかった」という主旨の返答がありました。何をか言わんやです。

財政危機というのは一般会計の話です(私は財政危機だとは思っていませんが)水道会計は料金収入をもとにした独立採算です。まさか彼は、一般会計から繰り出して水道料金の継続的な値下げの原資にするつもりだったと言うのでしょうか。この答弁だけで、彼が水道事業のことをさして理解しないままに、この公約をいい加減に打ち出したことが想像できます

 

私自身はかねてより、その「常識的な見解」を持ち合わせていましたから、「将来的な値上げ」もやむを得ないと思っていました。

ただし、「値下げ」は公約です。公約である以上、達成されるべきであり、達成できなくとも努力されるべきであり、できなかったとしたら説明されるべきだと思っています。

 

独立した水道事業の経営努力や、制度改革の中で原資を捻出し、料金値下げを実現するなど(ましてやポスターに書かれたような「大幅な」値下げなど!)できようはずもないと私は思いますし、できるはずもないことをここまで大々的に打ち出したことについて、任期末にはしっかり説明がなされるべきです。

 

なお、同様に前回の選挙で「水道料金の値下げ」を打ち出した堺市議会議員が、選挙公報を見る限り、維新が7名、共産が4名です。

なーんて感じでです。

一方で、この4年間の議会において、コロナ対策等での一時的な基本料金免除はともかく、一定期間に及ぶ値下げや、水道事業の抜本改革に繋がるような議論はほとんどなされていません。とりわけ市長与党と言われる方々は、どんな見込みでこのことを選挙公報に記載したんでしょうか・・?その実現のためにどんな議論をしてきたのでしょうか?

 

しつこくてすいませんが、このブログの内容を纏めます。

 

・「までに」と「以降に」を間違えてごめんなさい

・でも「将来的な値上げ」という意味では同じ

・それは「値下げ」という公約に反するもの

・そもそも値下げは困難で、公約がいい加減だったのでは?

・値下げできないなら、ちゃんと説明してね!

 

ということです。

 

加えて言えば、これから選挙が始まりますが、候補者には公約に対する誠実さを、有権者にはそれを判断する慎重さをお願いしたいと思います。

 

上下水道局の皆さんにはご迷惑をお掛けしました。

皆さん方の努力があってこそ、2030年まで「料金維持」で踏ん張れるというものでしょう。そして、その先の値上げはやむを得ないと思いますが、さらに先送りできないものか、私も何か方策を提案できるよう頑張ります。

そして、今後はこのような記載間違いが起こらないよう、慎重に作文いたします。

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

意見・提案