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票になる・ならんではなく

「子育て支援なんて票にならんからやめとけ」

 

と、もうずいぶん前に引退された、某元議員に言われたのは、たしか1年くらい前のことです。

 

「若いやつらはどうせ選挙には行かん」ということのようでした。私のことを思っての発言でしたので、その場で反論もしませんでしたが、、、、

 

振り返れば、その後の私は、それに行動で反論しているかのような1年を送っています。

 

 

子育て支援が票になるかどうかはわかりませんが、少なくとも、その某元議員さんが現役だった頃よりも、子育て支援に対する認識はずいぶんと変わっているように思います。

私が議員になってからの3年と少しの短い期間でも、その変化を感じます。

某元議員さんが言うところの「若いやつら」だけではなく、ご高齢の方でも、ご自身の子や孫、この国・このまちの将来を案じ、子育て支援の重要性を認識されている方が、ずいぶんと増えているのです。

 

 

しかし!

 

 

それでも私がこの1年間、関心を向け、取り組み始めた「社会的養護」は、まさに「票にならん」分野だと思います。残念ながら。

 

虐待のこと。

養護施設のこと。

里親のこと。

 

まだまだ関心を持たれている方は少なく、大半の方にとって他人事であり、当事者が非常に少ない分野です。

 

 

その当事者と言えば、

 

虐待や、何らかの理由で、実親に育ててもらえなくなった子ども。

彼らには選挙権がありません。

 

虐待や、何らかの理由で、実子を育てられなくなった大人。

そういった方は、もともと社会や政治へのアクセスに乏しい上、立場上、「(育てられなくなったうちの子らのために)環境をよくしてやってくれ!」とは言いづらいでしょう。

 

辛うじて、里親をされている方、施設でお勤めの方などなどがいらっしゃいますが、社会全体から見れば、当事者は極めて少数だと言えます。

 

 

 

それでも思います。

 

本当にしんどい立場に置かれた方に目を向けてこそ、政治だと。

声なき声を聴いてこそ、政治家だと。

 

 

子どもは社会全体の宝であり、それを傷つける虐待は、他人事ではありません。

また、まともに子育てをしている(つもりの)私たちでも、いつ何時不幸に見舞われるかもしれず、その時に愛する我が子が、施設や里親のお世話になる可能性だってあるわけです。

 

 

「票になる」「票にならん」ではなく、

「この社会にとって大事か」「大事でないか」によって行動し、

せめて「大事だ」ということだけでも多くの人に伝わるように、

 

今回の議会活動報告でも、紙面の多くを割いて、里親のことをご案内する予定です。

 

 

 

 

私の努力が実り、いつか多くの人にその重要性を認識してもらえたならば、その時は「票になる」ようになるのかもしれません。

そんなものは、頑張れば、後からついてくるのだ。と信じて。

 

 

堺市議会議員  ふちがみ猛志

意見・提案