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職員の少なさランキングの愚かしさ

こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。

 

企業であれ、行政機関であれ、要員管理は重要です。人が多すぎてもダメ、少なすぎてもダメ。当然です。

 

堺市役所はいま、「政令市トップクラスのスリムな体制」を目指しています。

具体的には、「人口あたりの常勤職員数」が、現在は20政令市の中で少ない方から6番目なのですが、それを5位以内にすることが目標だそうです…。

 

どう思われますか?

 

私には理解しがたいのですが…、そのことをこの度の議会で取り上げました。

 

ランキングに意味があるのか

20ある政令市で何番か・・・。

 

いくら自分がよくなっても、相手がもっとよくなれば順位は上がらず、でも順位がどうであれ、自分がよくなったなら、それはいいことだし、

 

いくら自分が悪くなっても、相手がもっと悪くなれば順位は上がるし、でも順位がどうであれ、自分が悪くなったなら、それは悪いこと。

 

ランキングが上がったかどうかという、他都市との比較を目標にすること自体、意味がないことだと私は思います。

同じ政令市でも、それぞれの都市の規模、環境、歴史などで前提条件が全く違うのだし。

市民が幸福を感じるのか

それでも、たとえば「子育てしやすいまちランキング」とかならば、まだわかります。

 

そのランキングをきっかけに「ああ、うちのまちってそんなに子育てしやすいんだ」って市民が思えたなら、そう思えること自体が幸福感につながるかもしれません。「このまちで子育てできてよかったね」と。

一方で、人口あたりの常勤職員数が少ないというランキングで上位になったとて、「ああ、うちのまちってそんなに職員が少ないんだ」と、そう思えることが幸福感につながるでしょうか

 

その先に財政がいいだの、福祉にお金がまわせるだの、そういう話になれば別かもしれませんが、ランキングそのものではつながらないでしょう。

むしろ逆に「うちのまち、何かあった時に大丈夫かな?」と不安になる気すらします。

 

そもそもの目的は何なのか

この件において、堺市のそもそもの目的は、「持続可能な財政運営」であり、そのための「コスト削減」です。

 

しかし、「人口あたりの常勤職員数の削減」がすなわち「コスト削減」とは限りません。

 

常勤職員数が減っても、それ以上に非常勤職員が増えれば、人件費が増えるかもしれません。

常勤・非常勤含め、職員数を減らして、人件費を減らすことができても、その分の業務が民間委託になって、その委託料がそれ以上に増えれば何の意味もありません。

 

「常勤職員数の削減」は、「コストの削減」と必ずしもイコールではないのです。

 

また、目の前の「コストの削減」に繋がったとしても、「正規職員数の削減」が様々なノウハウの継承に悪影響を与え、行政運営の「持続性」を阻害するかもしれません。

「持続可能な財政運営」とは、なおのこと、イコールではないのです。

 

職員が少ないことはいいことか

平時をカツカツの人員でまわしていたら、いざ危機が発生した時に、うまく対応ができるはずがありません。

 

それは企業であれ、行政機関であれ、同じこと。

いや、市民の命を守る行政機関こそが、危機への備えを万全にせねばなりません。

 

頻発する自然災害もそう、コロナ禍などの不測の事態もそう、行政機関の過度な人員削減がどれほど危機対応の足を引っ張ったことでしょう

いつからか、「改革」と言えば、「人員削減」や「コストカット」を意味するものかのように語られるようになりました。堺市議会でも、それらを同義語として使う議員が少なくありません。

 

職員が少ないことはいいことか??

様々な危機が続く今、私は改めてそこを問うていくべき時だと思っています。

 

そして今、堺市において、職員が少ないことが絶対的にいいことであるかのような目標を、職員自身が設定しています。このことに、私はそこはかとない不安を覚えています。

 

ミスリードする目標はやめよう

目標として設定した以上、当然それを目指すことになります。

誤った目標は、誤った判断、誤った行動につながります。ミスリードします。

 

市民の意識をもミスリードします。

職員って少なければ少ないほどいいの?と。無駄なの?と。

人口あたりの常勤職員数の少なさを、ましてやその政令市ランキングを目標にするなんて、実に無意味で、愚かしいことだと私には思えてなりません。

 

そんな目標はやめてしまおう!

そして、真に市民の幸福に直結することを目標にしよう!

 

私はつくづくそう思います。

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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