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見せ方も大事

堺市役所の駐車場。

ご覧の通り、満車であることが多く、長蛇の列も珍しくない。
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その駐車場が工事に入り、これから数年にわたり、さらに駐車スペースが削減される。

そうなると、さらに渋滞が発生するではないか!
ますます、駐車場に入るのに時間がかかるではないか!
という、不安を解消すべく、打たれた策が有料化。
正確に言えば、「無料」の範囲の縮小。
これまでも、市役所駐車場は有料だったが、市役所に用事があれば、一時間無料だった。
それが、「公共交通機関を利用しづらい人が」「市役所に用事があれば」一時間無料となる。
一つ、条件が増えたのだ。
具体的には、高齢者、障害者、妊婦、子連れ等々。
この無料対象者以外の方は、
・有料でも我慢する
・有料な上に並びたくないから、近くの民間駐車場へ
・公共交通機関で
となると思われる。
で、そのことが、このほど「広報さかい」で告知された。
そこで私が思ったこと。
役所は伝え方がヘタやなあ。
ということ。
今回の一部有料化は、単純に「市民サービスの低下」。
これだけを伝えられたのでは、市民は不満しか抱かないだろう。
かろうじて、工事の目的である、市民交流広場の整備について言及しているが、それはまだまだ先の話だし、市民からすると「いまも広場はあるやん!」である。
せめて、「こんな広場ができたらいいな!楽しみだな!」と思わせる「絵」が必要だろう。
であれば、不満だけでなく、多少のワクワク感が加わり、「我慢しよか」となるのかもしれない。あくまで「かも」だけど。
さらに私なら!
住民票等のコンビニ交付事業について、同時に発信する。
これは、すでにいくつかの自治体で実施されているが、マイナンバーの交付をきっかけに、堺市でも計画が進んでおり、議会答弁でも公になっている。
システムの構築に時間がかかるが、来年度に始められる予定。
一見、関係ない事業のようだが、これが始まれば、そもそも役所に来なくて済む人が増える。市役所駐車場の有料化の影響を、受けずに済むわけだ。
まだ先の話とは言え、こうした事業をセットで説明すれば、
市民「有料化やと!わざわざ足を運ぶ市民から、まだ金を取るんか!」
だったのが、
市役所「まだ先ですが、そもそも役所まで足を運んでいただく回数を減らせるよう、鋭意取り組みを進めてます!」
市民「そうか、足を運ぶ市民の気持ちくらいはわかってんやな。」
となるんじゃないだろうか。
この辺は見せ方の問題で、そんな積み重ねで、同じこと(事業)をしていても、市民満足度は大きく変わってくるのだと思う。
市民サービスの低下にしろ、増税などの負担増にしろ、何かそういう話には、「みなさんのお気持ちはわかります!」という姿勢を形で示すとか、何らかの緩和策を示すとか、ほんの少しでもあるのと、ないのとでは、全然受け取り方が変わってくるだろう。
こんな話をちょっと職員にしてみて、「なるほど」という感じで聞いてくれたけど、いざやるとなると、
「その二つの事業は部署が違います」とか、
「駐車場を有料化したから、コンビニ交付するわけではないので」とか、
「コンビニ交付は来年度の話ですから」とか、
できない理由がわんさか出てくるんだろうけど。
でも、そんなんを気にしてるのは、役所側だけだからね。
市民が気にしているのは、「役所が市民の目線で物事を考えてくれているかどうか」。
時には、そんな見せ方も大事なんじゃないかな。
別に嘘ついているわけでも、誇張しているわけでもないんだから。
堺市議会議員  ふちがみ猛志
意見・提案