議員の処遇④~まとめ~
私が議員になって間もなく3年ですが、中に入ってみて、そこでつくづく感じたことがあります。
頑張って活動している議員と、そうでない議員の差が非常に大きいこと。
頑張っている活動している議員の存在が、市民にとって大変有用であること。
そうした議員に限って、活動費の持ち出しが多く、手元にお金が残らないこと。
逆に、活動しなければ持ち出しもなく、手元に大きなお金が残ること。
といったことです。
頑張って活動している議員にとっては、今の報酬が高いとは思いませんし、むしろ、年金制度の不備などが、こうした議員を増やしていく足かせになっていることを感じます。
一方で、そうではない議員にとっては、「なんでこの人に、こんなに報酬が?」と思ってしまうこともあります。
その時に、前者に目を向けて、「ある程度報酬は維持しよう」「頑張りを維持できる仕組みにしよう」とするのか、後者に目を向けて、「報酬は減らすべき」とするかは人それぞれですが、私は前者の方がよほど建設的だと思います。
報酬をいくら減らしても「世のため人のため」で頑張ってくれる優秀な議員はいるかもしれませんが、それには限界があります。
人は霞を食って生きてはいけません。
生活にかかるお金は人それぞれで、子どもの有無や、被介護者の有無や、障害や病気の有無などで大きく変わります。議員が特定の、経済的環境に恵まれた方だけの仕事にするのでなく、色んな立場の、広い範囲の方々が、ある程度生活を維持しながら目指すことのできる、躊躇せずに挑戦できる、そんな仕事になればと思っています。政党や組織の後ろ盾がなくとも、それができるようになればと思っています。
また、いくら「金のかからない活動」と言っても、ゼロにはなりません。
例えば、私は年4回、議会定例会ごとに約7万枚の議会活動報告を発行し、堺区のほぼ全戸にポスティングし、年2回以上は5千人ほどの方に郵送もしています。これくらいは、議員としての責務だと思っていますが、普通にやればこれだけで500万円くらいはかかります。そこをプロの手をかけず、自分でデザインしたり、ご支援の皆様に毎回2万枚を完全ボランティアでポスティングしてもらったり・・、そんなこんなで経費を半分ほどに抑えています。どれだけ抑える努力をしても、かかるものはかかるのです。
私は運よく、家族の理解を得、この立場に就くことができました。
ここで私がやるのは、単純に報酬を下げて、これからここを目指す人にとっての敷居を高くすることではなく、頑張りたい人が頑張れる仕組み、目指したい人が目指すことのできる仕組みを作ることだと思います。
それが、先のブログ「議員の処遇② ~報酬に対する私の考え~」「議員の処遇③ ~年金に対する私の考え~」で述べた内容です。
そうした中で、私などより、もっともっと優秀な人材がこの世界に集まればと思いますし、そうなると、ある意味、議員としての私の身も危うくなるかもしれません。しかし、時間はかかるものの、それこそが前向きで、建設的な「身を切る改革」ではないでしょうか。
そして、何より大事なのは、「市民の皆様のチェックの目」です。
報酬が高いことが問題ではなく、報酬に見合った仕事をしていないことが問題なのです。
見合った仕事をする人を選ぶことです。
そのために、私ができることは、議員活動をもっともっと市民の皆様に見えやすくすることです。
手元に残るお金を減らしてでも、年4回、各約7万枚の議会活動報告を発行・配布しているのもその一環ですし、ブログをまめに書いているのもそうです。
また、それは私だけがやるのでなく、仕組みとして作らなければと思っており、先のブログで提案した、政務活動費の一層の透明化も、その一つです。
年俸1億円のプロ野球選手が、来季の抱負を問われ、
「身を切って、8000万円にします!」と言うのか、
「3割30本打ちます!」と言うのか。
(もちろんプロ野球選手と議員は違いますが)私は、後者のような意気込みで、議員活動に向き合いたいと思っています。
優秀な議員がもっと増えて、その頑張りがもっと引き出されれば、それは必ず、市民生活の向上に繋がりますし、市民の政治への信頼にも繋がります。
私はそう強く確信しています。
※欧米諸国で一部見られる、限りなくボランティアに近い議員や、夜間議会も、「将来的な姿」として選択肢に入れていいと思っています。ただし、政令市の所管事務の多さから考えて、現時点では現実的ではないと思っています。この点はいつかまた述べたいと思います。
堺市議会議員 ふちがみ猛志