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迷い老人・独居老人

一昨日の昼すぎ、挨拶まわりの最中、とある住宅街で熱中症とおぼしき症状で、老人が倒れこむ、その瞬間に出くわした。

車を降りて、駆けつける。
肩を貸せば、なんとか歩ける状態。
すると、近くに女性が一人。
フラフラと今にも倒れそうな見ず知らずのこの高齢の男性を見て、慌てて家から飛び出してきた、近所の方らしい。
そして、近所に助けを求め、しかし誰もおらず、いよいよ、男性が倒れたところで通りかかったのが私だった。
肩を貸し、担ぐようにして、すぐそばの女性宅の玄関に運ぶ。
女性がいそいそと飲み物を運ぶ。
とりあえず男性も一息つき、救急車を呼ぶ必要はなさそう。
しかし、とても自転車に乗って帰れるとは思えない。
家まで送るか、、、と、男性に名前を尋ねるが、なかなか出てこない。
何度も聞いて、ようやく名前がわかる。
住所は町名まで。番地は出てこない。
電話、その他情報を尋ねても、何も返事がない。
認知症でいらっしゃるようにも見え、熱中症でまだボーッとしてしまっているようでもある。
止むを得ず、警察を呼ぶ。
至急、駆けつけます、と言われ、待つこと約30分。(どうなっとるんだ)
「迷い老人、迷い老人」
警察官が無線で署とやりとりしている。
ようやく、氏名、住所がわかるも、家族・親族がいない。
独居老人。
さすがに、家に送っておしまい、という状況でもなく、近所で知り合いはいないか、そんなことを調べている。
「あとは我々が」
と警察に促され、私はその場を後にした。
これからの時代、こんなことが増えるんだろうな‥
行政は何をすべきか。
自治会を中心とする地域コミュニティ、ネットワークの構築。
地域の見回り活動の強化。新聞配達やヤクルトなどの民間事業者、そして消防などの公の力も活用。
高齢者シェアハウスの普及。
そもそもの少子化対策。
等々。
やらねばならぬことはたくさん。
そんなことを思いながら、共に救護に奔走し、戦友のような気分になった女性に別れを告げた。
この女性も、89歳。
独居。
堺も、日本も、このままじゃマズいよ。
ふちがみ猛志
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