里親であることを発信しなかった理由とした理由
こんにちは。堺市議会議員のふちがみ猛志です。
ブログの里親シリーズ3回目、これが最終回です。
最初のブログに書いた通り、私が里親登録して2年強ですが、この間そのことについてSNS等で広く発信することはありませんでした。あえて、しませんでした。
しかし、今はこうやって発信をしています。
それはなぜなのか、書きたいと思います。
発信してこなかった理由
それは、売名行為だと思われたくなかったからです。
いやあ、そんな風に捉える人が現にいるんですよね…。
2019年に、維新の会の大阪市会議員である佐々木りえさんが里親になられたことを私は知りました。ネットニュースだったか、ご本人のSNSだったかは覚えていませんが。
私はすでに里親制度には関心を持ち、議会で幾度か取り上げていましたので、「へー、立派なことだなあ」と感心したわけですが、、、そんな彼女のもとには「売名行為だ」とする批判が多く寄せられたそうです。
※日刊スポーツより(それにしてもこの「元グラドル市議」って呼び方、やめようよ。私のこと「元サラリーマン市議」とか言わないよね・・)
なんだか、嫌な世の中ですね。
私は彼女とは面識もありませんし、彼女の本当の胸の内を知る由もありません。ただ、私も実際にやってみて、彼女がブログで書かれていた反論がすべてだと思うのです。
「売名行為で子どもの大切な命を預かることなんて出来ません」と。
とはいえ、私もそんな誹りはまっぴらごめんですし、そう思われることで、伝えたい想いや事実もねじ曲がってしまいます。なので、控えてきました。
発信するならば、「売名行為だったら選挙の前に発信してますよ」と言い返せる時期、つまり選挙の後に。そして、できれば「売名行為なんてしなくても、私は当選できますから」と言い返せるだけの結果を出してからにしよう。と思ったわけです。
発信した理由
で、選挙を終え、私なりにいい結果を残せたことから、こうして里親であることを発信するに至りました。
発信する理由はただ一つ。「里親制度について知ってほしいから」です。
官房長官や厚労大臣まで歴任された塩崎恭久さんが、国会議員を引退後に里親になられ、ニュースにもなりました。
https://www.nhk.or.jp/matsuyama/insight/article/20220221-1.html
塩崎さんに比べると、私など取るに足らない議員ですが、それでも狭い範囲であれば制度の宣伝に少しくらい寄与できるでしょうし、仕事柄、知り合いも多い方だと思っています。
「へー、ふちがみさんがやってるんや」ということを通じて、里親制度を身近に感じ、理解を深め、
その先に「里親をやろう」と思う方が1人でもでてきたら最高に嬉しいし、そうでなくとも「里親・里子を支援する人」が増えれば嬉しいです。
いや、そこまで行かずとも、実の家庭で暮らせない子の存在を知ってもらえたら、きっとそれが「どんな環境に生まれた子でも、健やかに育てる社会」につながっていくんだと思っています。
ところが、里親制度はまだまだ理解されていません。
おそらく皆さんも、私が書いた先の2つのブログの中に「知らなかったこと」や「意外だったこと」があったんじゃないでしょうか。
私が里親登録をする前だったと思います。「知られてないんだなあ」と痛感させられた出来事がありました。
親元に返したという批判と誤解
その出来事も、先述の佐々木りえさんの関連です。私は彼女と面識はないのですが、共通の知人がいます。
里親をされているという彼女に関心を持っていた私は、その知人に会った際に、「佐々木りえさん、里親をされてるんですねえ」と話を振ってみました。
すると、「以前は小さい子を連れてたけど、もう親元に返したらしいわ」とおっしゃったのです。批判的な口調でした。
「最後まで面倒見る気がなかったんだ」と言わんがばかりで、SNS等でもそのような批判が一部見受けられました。
実際にどのような事情で親元に帰ったのかは存じませんが、これまで書いてきたように養育里親は一生涯の面倒を見るものではありません。
実親が虐待したのであっても、一定期間を経て実親が姿勢を改め、そのリスクがなくなったのならば、子どもはその親のもとへ帰ります。
たとえば、シングルのお母さんが入院する際に里親家庭に措置されることもありますが、退院し、落ち着いたら当然親元へ帰ります。
どうやら世間には、里子が親元に帰ることを「里親でありながら、育児を放棄した」かのように誤解してしまう方がいるようなのです。
この誤解は、現に養育里親をしている私にとっても大変困った話です。
里親について正しい情報を発信せねばと思った、決して小さくはないきっかけでした。
市長ですらも誤解
里親制度があまり理解されていないという点では、市長ですらもそうだったんです。
それも、「里親イヤー」と銘打って、里親制度の普及啓発の強化を打ち出した市長がです。このことについては、以前にブログに書きましたので、よければこちらもご覧ください。↓↓↓
一般市民が理解していなくても当然だということです。
私は議会の中でも外でも、これから里親制度についての発信を強化していくつもりですが、その際に「当事者の言葉」として発信した方が、説得力が増すだろうと思っています。
それもこうして「やってます」と発信するに至った理由です。
里親制度について一番伝えたい相手
里親制度のことを広く伝えたいと思っています。
中でも「ひょっとしたら里親になってくれるかもしれない人」には、より一層しっかり伝えたいですね。子どもが大好きな人、子育てを終えて少し寂しい想いをしている人、社会的養護に関心のある人、、、、、
でも、もっと伝えたい相手がいるんです。
それは、虐待をしてしまった人、してしまいそうな人、子育てに強いストレスを抱えている人たちです。
これまでの私の短い里親経験の中でも、「里親に預けるのは嫌、施設にしてほしい」と、子どもの親に拒否されたことが何度かありました。
虐待が疑われるケース、入院が必要なケースなどで、子ども相談所が子どもを保護するにあたり、親がそのような注文をつけるわけです。
おそらくですが、里親に預けると「返してもらえなくなる」「子どもが里親になついてしまい、自分にはなつかなくなる」などと考えるのではないかと想像しています。
そんな親にはぜひ知ってほしいのです。
あなたの養育における課題が解消したら、子どもは必ず戻ってくるということ、
その間、里親が責任を持って愛情を注ぐということ、
家庭の中で愛情を受けることが、子どもの愛着形成(子どもが身近な信頼できる人にくっつき安心を得ようとすること)につながり、それが家庭復帰後のあなたとの関係構築にもつながるということを。
里親制度や、国や自治体が家庭養育を推進している背景について、当事者にもっと知ってもらい、子育てにストレスを抱えた方々が、虐待などに及んでしまう前に、
子ども相談所に相談できる、
いざとなったら里親が預かってくれる、
と無理をしすぎることなく、時にレスパイトや治療を選択し、健康な心身で余裕をもって子どもと向き合ってもらえたらと思います。
誰もが安心して子育てができる堺市に。
そんな小さな受け皿の一つとして、これからも里親として活動していきたいと思っています。
3回連続の里親シリーズ、いかがでしたか?
まだご覧でない方は、ぜひ第1回、2回もご覧いただけたら幸いです。
「ふちがみ家の里親日記」
「よくある里親についての誤解と質問」
堺市議会議員ふちがみ猛志
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