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地方議員はビラ禁止!?

本論に入る前に、前段として、、、、、

 

 

地方議会議員は、選挙中にビラを配れないというのをご存じでしょうか?

 

選挙が告示され、「さあ、本番!」となってからの5~10日ほどの間、個人名の入った一切のビラが禁止されるのです。

 

※(個人名のない)政党のビラは許されているので、政党所属の候補者であれば配布物はある。無所属候補者には、何もない。無所属候補は圧倒的に不利。

 

 

では、どうやって、政策を市民に訴えていくのか。

 

許されているのは、、、、

 

・スピーカー&マイク 一対(たいていは街宣車一台)

・選挙公報(面積が限定されている上、興味のある人しか見ない)

・インターネット(興味のある人しか見ないし、使えない人も少なからず)

・推薦はがき(面積も、枚数も限定されている)

・立会演説会の会場であれば、さらにスピーカー&マイク 一対追加

・あとは、、、、地声(電話含む)!

 

 

これで、果たしてどれだけの方に、政策を訴えられるでしょうか?

こういった状況では、不特定多数にアプローチする手段は、極めて限定的です。

ハガキは住所の知った人にしか送れませんし、演説会に来るのも、知り合いか、せいぜいその知り合いくらいまでです。

どうしても、街宣車頼りになり、つまりは選挙でお決まりの「名前連呼」が始まるのです。

もちろん、スポット演説もしますが、周囲の人にしか届きませんし、ビラなしでは、その場での記憶頼りになります。

 

 

一方で、選挙が始まるまでは、選挙については言及できませんが、個人名の入ったビラを、「(選挙と関係のない)政治活動」として配布できます。

「一票入れて!」とは書けませんが、自分の政策、主義主張、これまでの活動など、いろんなことを記載できます。

 

この状況を、皆さんはどう感じられますか???

 

「政策で選べ!」という割には、実際の選ぶ時(選挙期間)になると、政策を発信する手段が限られてしまうのです。

 

 

私は、これをおかしいと思っています。

有権者が、まっとうに候補者を選ぶことを阻害していると思っています。

 

 

そして、もう一つおかしいのは、こうした「個人ビラ禁止」は、地方議会議員だけなのです。

国政選挙や、首長選挙では、個人ビラは認められているのです。

 

「地方議会議員に政策はいらない」ということでしょうか??

 

こうした状況が、議員個人を見ずに、「○○党でいいや」とか、「同じ校区の△△さんで」という投票行動につながっているのだと思います。

 

これでは、候補者自身も鍛えられません。

 

 

そこで、私は「個人ビラを禁止」している公職選挙法の改正が必要だと思っています。

 

とはいえ、それは国政マターなので、私たち地方議会にできることは、国に意見書を提出することです。(あくまで、意見をするだけですが)

 

 

さて、長くなりましたが、ブログの本論です。

 

 

今回の議会で、その「個人ビラを禁止した公職選挙法改正を求める意見書」を出そうと試みましたが、可決される見通しがつかず、やむを得ず、提出を断念しました。

調整段階で、複数の会派がこの意見書に反対したからです。

これで二度目の失敗です。無念。。。。。

 

否決覚悟で出したい気持ちもありましたが、それでは、「堺市議会は改正を求めない」という意思が示されてしまいます。

ならば、もう少し時間をかけて、合意形成を図ろうと思ったわけです。

 

 

もちろん、様々な意見があろうとは思います。

 

 

個人ビラを認めると、ポスターや、国政でのビラと同様に「一定の枚数分を公費負担」となるでしょうから、その分、選挙経費が掛かります。

しかし、それは民主主義の経費だと思います。

先述のように、現行制度では、まともに政策を見て、候補者を選ぶのは困難です。

 

むしろ、反対している議員には、別の意図があるのかもしれません。

 

「政策で選びづらい」ということは、つまり「政党名で選ぶ」という傾向が強まります。

 

政党所属議員、とりわけ、組織力のある政党や、追い風の政党には、個人ビラなんてない方が有利になるでしょう。(いや、そんな理由ではない!と思いたいところですが、、要するに私には反対の理由がよくわかりません!)

 

 

無所属である自分自身のためではなく(別に個人ビラOKでも、無所属が有利になるわけではありませんし)、あくまでも、「政策によって候補者が選ばれるようにする」ために、私は今後もこの取り組みを続けたいと思っています。

また、国政選挙で認められているものが、地方選挙で認められていないという現実を変えるためでもあります。

国会も、地方議会も、所管する事務が違うだけで、本来は対等であるべきです。

そのことを訴えていきたいと思います。

 

 

他の市町村でも、こうした意見書が可決されるケースが増えています。

最近でも、東京都の多摩市や、東村山市では、「全会一致」で可決されました。

政党の枠を超えて、ある意味、地方議会としての矜持を示されたのだと、私は思います。

 

 

はてさて、堺市議会では、今後どうなるやら。

 

 

 

堺市議会議員  ふちがみ猛志

意見・提案