ケチをつけた白い壁
私が議員になってから、市の施策だけでなく、あれこれと、職員の姿勢についても指摘をしてきました。
その中で何度もしつこく指摘してきたのが、「市の取り組みについて、市民に知ってもらおうとする努力・姿勢」です。それが足りないのだと指摘してきました。
「市民に伝わっているの?」
「はい、広報とホームページに載ってます」
「それで本当に伝わるの?」
なんてやり取りが、これまで何度あったことでしょうか。
その情報を欲している市民に、あるいは行政が伝えたいと思う相手に、「どこで」伝えるのか。「タッチポイント」の重要性については、何度も議会でも取り上げ、ブログにも書いたことがあります(下記URL参照)。
https://fuchigami.info/プールと市民満足度とタッチポイント/
https://fuchigami.info/子育て応援アプリとタッチポイント/
さて、そんな私が市職員の皆さんにしつこく求める「市民に伝える努力」ですが、それが足りなていない象徴的なものとして、過去にケチをつけたのが「白い壁」です。
工事現場を取り囲む「白い壁」。
それを見て「この工事現場、何やってるんやろう?」と思う人もいるでしょう。
あるいは、何を建てているか知っている人も、「あぁ、これが〇〇か」と、良かれ悪かれ、その工事の内容について、意識が向くものです。
今まさに、そこに工事の内容(公共工事なら、市の取り組み)について、知りたいと思っている人、あるいは何かしら意識が向いている人がいるのだから、そうした方々に、真っ白い壁を見せるのではなく、そこに完成予想図でも貼り出したらどうかと、私は思うのです。その建物を象徴するキャッチコピーだっていいんです。
なるほど、こんな〇〇ができるのか。と、市の取り組みへの理解は深まるでしょうし、それを期待し、ワクワクしてくれる人だっていることでしょう。
フェニーチェ堺の現場でも、ジョルノビルの建て替えでも、この「白い壁」について指摘してきました。(それぞれ改善してもらいました)
そうした指摘をし続けた甲斐があったのか、本日、建て替え工事中の大浜体育館を訪れてみたら、この通り!
建物の外観や、内部の完成予想図、平面図、計画概要のほか、寄付のお願いなど、様々な情報が「白い壁」に貼り出されていました。
写真は撮り忘れましたが、近くの小学生による「こんな体育館あったらいいな」という絵もありました。
少なくとも、これが「ただの白い壁」なのと比べれば、ずっとずっとこの体育館(取り組み)に対する理解は深まることでしょうし、楽しみに思ってくれる市民も増えるでしょう。
私がフェニーチェで指摘したからかどうかは知りませんが、同じ文化観光局の皆さん、グッジョブです!
この「白い壁」の話は、重箱のスミをつつくようなことなのかもしれません。また、「白い壁」だけを改善すればいいというものでもありません。
ただ、職員が市の取り組みについて、「市民は当然知っているはず」とか、「広報とホームページに載せたから十分」なんて思わず、「もっと知ってほしい、楽しみにしてほしい」「どうすれば伝わるだろうか」と常に考えることが大事です。そう考えていれば、「白い壁」は当然なくなるはずです。
「白い壁」は些細なことですが、これに限らず、あらゆる場面で職員がその意識を持ち、少しの努力を実行していれば、もっともっと市の取り組みが市民に伝わり、市民満足度はもっともっと上がるのだと思います。
多くの自治体が、実は(!)、それなりにいい施策をやっています。
今よりももっといい施策を作ることも大事ですが、まずはそれよりも、今ある施策について、しっかりと市民に、特にそれを必要とする人に伝わっているのかどうか、そこにもっと意識を向けるべきだと私は思うのです。でないと、もったいない!!!
昨今のコロナ支援についても、「1人10万円」と「マスク2枚」はよく知られていますが、たとえば「雇用調整助成金」とか他にも重要な支援策がありますが、当事者に伝わっているでしょうか。
この「伝える」という課題については、今後も口うるさく指摘していきたいと思っています。職員の皆さん、よろしくお願いします。
堺市議会議員ふちがみ猛志