同級生の保護者からの苦情メール
こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。
今日は選挙中にちょっと印象的だったことについて書きます。と言っても、選挙とは直接関係ありません。それは、娘の中学校の保護者(匿名)の方からの苦情メールでした。
■娘のLINEと保護者の指摘
苦情メールの内容はこのようなものでした(全文)。
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娘さんがLINEグループで「父が選挙に出ます」「見かけたら手を振ってください、喜びます」などと発言していましたが、未成年の選挙活動はだめなことを彼女はご存知ですか?選挙活動じゃない、と思われるのかもしれませんが、どこからがOKでどこからがNGなのかちゃんと彼女はわかってますか?子どもたちのLINEでそんなことを発言することを許してらっしゃるのですか?SNSの立ち居振る舞い含め、ご指導された方が良いと思います。
※※※
というものでした。
たしかに娘は、同級生などの数あるLINEグループにそのような発信をしていました。そして、それを私は知っていました。事前に相談がありましたから。
■公職選挙法上は問題なし
まず、娘のLINEの内容は、公職選挙法上は問題ありません。
未成年の選挙活動は禁止されていますが、選挙活動とは「投票依頼」であって、上記のような文面では、到底「投票依頼」とは言えません。そもそも送信先の友人たちは中学生であり、投票できないことは双方が理解していることですから、「投票依頼」にはなりえません。「親への投票依頼」を依頼しているのならば、まだしもです。
「手を振って」が投票依頼になるなら、子どもが街宣車に手を振る行為が投票ということになってしまいます。
娘なりに政治家である父親の力になりたかったのでしょうし、選挙でテンションが上がっていたのかもしれません。娘が「パパが選挙に出ることを友達に言っていいの?」と言うので、公職選挙法の規定について説明し、最終的に文面も私が確認した上で、娘は送信しました。
公職選挙法は一般市民には馴染みの薄い法令ですから、「違法では?」という誤解があっても不思議ではないのですが、もっと気になったのは、苦情メールのその後の文章、
「SNSの立ち居振る舞い含め、ご指導された方が良い」
というものでした。
■政治は特別ではない
おそらく、「子どもがSNSで政治や選挙の話をすべきでない」とおっしゃりたいのだろうと思います。
果たして、そうなんでしょうか。
私は政治や選挙を特別なものとは思っていませんし、子ども同士でも、ましてや中学生にでもなれば、むしろどんどん政治・選挙の話をすべきだと思っています。政治・選挙の話をするなというのは、「社会に関心を持つな」というのと同じです。
また、娘にとってはただの「父親の職業」です。
歌手の父が今度テレビに出ます。見てやってください。
百貨店勤務の父がおもちゃ売り場担当になりました。見かけたら手を振ってやってください。
ラーメン屋の父が新規開店します。ホームページを見てやってください。
なーんて話と、大差はないと私思っています。
政治家の子どもだけは、親の話をしちゃいけないんでしょうか。
あるいは、そもそもLINE等で家族の話をしちゃいけないんでしょうか。
■ルールは当事者が決める
ひょっとしたら、そのLINEグループに「政治が嫌い」「他人の家族の話なんて聞きたくない」「このグループでは学校の事務連絡に限定してほしい」なんて人がいたのかもしれません。
ですが、もしそうだったならば、それはLINEグループの当事者である子ども同士で話し合えばいいのです。
LINEいじめのような話ならば別ですが、そんな話でもないのに、親の出る幕ではないと思います。
中学生にもなれば、自分たちのコミュニティのルールについては、まずは自分たちで話し合うべきです。そして親は出しゃばるのではなく、むしろ子ども同士での話し合いや解決を促すべきだと私は思います。
■苦情相手とも対話したい
実は苦情を送ってこられた方には、上記のような想いを伝えようとメールでお返事しましたが、メールは届かずに返ってきました。
匿名だっただけでなく、どうやらわざわざこの苦情のために、メールアカウントを作られたようでした。いわゆる、ステアカというやつですね。そして、返信を受け付けない設定にされているようでした。
匿名でも構わないので、できれば一方的に送り付けるだけでなく、こちらの返信くらいは受け取ってもらいたかったです。特に公選法の解釈は、まったくの誤解ですからね。はじめから聞く気もないのが、残念でした。
ちなみに、苦情のメールではこのようなことがよくあります。「きっとブロックしているステアカだろうな」と思いつつも、私はいつも心を込めてお返事を書いています(そして届かずにがっかりするのです・・)。
■中学生も積極的に政治の話を
私は駅頭でのビラ配布でも、中学生には積極的に差し出しています。
中学生でも社会のこと、政治のこと、わが町のことを考えてほしいですからね。
また、中学3年生ともなれば、4年後には有権者です。その時の投票で困らないように、ぜひこの4年間、現職議員の活動には多少なりとも目を向けてほしいのです。それが、よりよい選択にもつながるはずです。
堺市議会では昨年、私の会派の提案により、中学生を招いての「中学生みらい議会」を開催しました。高校だけでなく、中学校での主権者教育も重要だとされています。
※中学生みらい議会での記念撮影
いまの政治の劣化は、これまで大人たちがことさらに子どもを政治から遠ざけてきたことと、密接に関係していると、私は確信しています。なので、よりよい社会、よりよい政治、よりよい政治家の誕生には、主権者教育をはじめとする「子どもにも政治を見て、感じて、話してもらうこと」が大事だと思っています。
ぜひ子どもたちには、子どもたち同士でどんどん政治の話をしてほしいし、そのきっかけが「同級生のお父さんが政治家だから」だったとしたら、それはとても嬉しいことです。
堺市議会議員ふちがみ猛志
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