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G7貿易大臣会合はそんなにすごいのか

こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。

 

G7大阪・堺貿易大臣会合の開催まで、あと44日です!!!!

いやあ、楽しみだなー。

 

なんーて、思っている方はいらっしゃいますか?

そもそも「え、何それ?」って思っている人の方が多いかも・・・・。

 

永藤市長はこの会合について、堺の魅力を国内外に発信する絶好の機会だとし、市長公室長も「来訪者を堺に誘引する絶好の機会」と答弁しています。

そして、2025年の観光誘客目標である「大仙公園エリア60万人 環濠エリア300万人」の達成に『寄与する』としています。

 

果たしてそうなんでしょうか??

 

今日は、先日の議会で取り上げた、このG7貿易大臣会合について書きたいと思います。

 

堺市は風呂敷を広げすぎ?

札幌、軽井沢、倉敷、宮崎、高崎、新潟、仙台、富山、金沢、長崎、伊勢志摩、日光、東京、高松・・・

 

これらの都市に共通するものがあるのですが、わかりますか?

 

わかった方はすごいです。

 

これらは、今年開催されたG7広島サミットの「大臣会合」がすでに行われた都市名です。

https://www.g7hiroshima.go.jp/ministerialmeetings/

※G7広島サミットホームページ

 

札幌では環境大臣、軽井沢では外務大臣、新潟では財務大臣という具合に、これまで13の大臣会合が開催されています(富山・金沢は共催)

そして14番目の大臣会合が、10月に「大阪・堺」で開催される貿易大臣会合です。

 

これらの大臣会合のニュースを記憶していますか?

これらの都市の魅力が、大臣会合を通じて皆様に伝わりましたか?

これらの都市では、大臣会合を機に観光客が増えたりしているでしょうか?

 

ちなみに外務大臣会合に関連するネットニュースを探したましたが、せいぜい交通規制に関する、こんな程度のものでした。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20230416/1010026252.html

 

あるいは、、、、

 

ドイツのエルマウ、

イギリスのコーンウォール、

フランスのビアリッツ、、、、

 

これらはG7の『首脳会議』の開催地で、多少なりともその町を紹介するニュース記事はありましたが(添付画像参照)、「G7を通じて魅力を知った」「行きたくなった」とか、現に「行ってきた」なんていう話を、私は聞いたことがありません。(多少はあるかもしれませんが)

首脳会議ですらそんなもんですから、10以上ある大臣会合で「来訪者を誘引する絶好の機会」と言うのは、いくらなんでも風呂敷を広げすぎだと私は思っています。

 

まして堺は、会合そのものが行われるのではなく、歓迎式典が行われるだけで、ニュースに取り上げてもらえるかどうかすら、かなり怪しいと思っています。

 

私の捉え方

私はこの貿易大臣会合のことを、一義的には「行政としてこなすべき事務」だと思っています。

 

G7加盟国である以上は、おおよそ7年に1回は開催国になり、その都度10数都市が大臣会合の開催都市となるわけです。日本中の自治体のうち、どこかが開催都市としてこの事務をこなさなければならず、それができる自治体は限られています。

それに堺市が名乗りを上げたことは、政令指定都市としての責任のようなものだと私は思っています。誘致自体はそれでよかったと思っていますが、かといって、「これで観光客が堺にやってくる!」などという甘い期待は、まったく抱いていません

 

甘い期待を抱けば、それを実現するための仕掛けが必要となりますし、それは「会合を滞りなく終える」という事務を遂行する上で、「余計な仕事」にもなりうるでしょう。

 

堺の魅力発信、来訪者の誘引という点『だけ』で言えば、G7の貿易大臣を呼ぶよりも、人気ユーチューバーやティックトッカーを呼んだ方が、よほど効果的です。

 

私が期待する効果

とはいえ、「来訪者の誘引には繋がらない」とまでは思っていません。

 

短期的、直接的には無理でも、中長期的、間接的には可能だと思っています。

それはMICEの推進に繋げられた場合です。

 

MICE(マイス)とは、大規模な国際会議や展示会などのことです。

 

今回の貿易大臣会合は、堺市で初めて開催された大臣級が集まる会議となります。それをやりきった経験は、今後MICEを誘致する上で役立つことでしょう。

貿易大臣会合の経験がMICEの推進に繋がり、MICEを誘致することで観光客も増える・・・ということには、私はそれなりに期待しています。

 

ただし、そのMICE誘致を積極的に進めようとするならば、今の堺市の施設ではあまりに心もとなく、それは成功しないでしょう。

それなりの規模の展示会ができるコンベンションホールと言えば、堺市では産業振興センターくらいです。大臣級の国際会議に対応できるシティホテルも、今回のアゴーラリージェンシーくらいです。

※ホテルアゴーラリージェンシー

 

果たしてそれでMICEの推進などできるでしょうか。

 

大事なのは長期的な戦略

MICE誘致を目指さないならば、G7貿易大臣会合は「誘客のチャンス」などと色気を出さずに淡々とこなすべきでしょうし、もしMICE誘致を観光戦略の一つに据えるならば、ハードの整備も含め、やるべきことはやっていかねばならないでしょう。

 

一言で「ハードの整備」と言っても、それは相当に骨の折れる話です。

 

大規模なコンベンションホールは作るにも維持するにも、大きな費用が発生します。

また隣の大阪市にそのような施設はいくつもありますから、それに負けじと需要を取り込むのは簡単ではありません。堺市なりの独自性が必要です。

 

ホテルの誘致と言っても、おおよそ今の堺市の公有地にそのような土地はなく、再開発等をもってして、その土地、候補地を作り出す必要があります。

堺東の駅ビルの更新も一つの選択肢でしょうが、ビルの所有者は南海電鉄ですから、もしそれを促すのならば、堺市からの力強い支援が必要でしょう。

 

いずれにしても、「貿易大臣会合をやれたから、MICE推進も!」などという簡単な話ではないのです。

 

堺市の観光戦略、経済戦略で何を掲げるのか。

そこに「MICE推進」を加えるのか、否か。

それを長期にわたって実行していく覚悟はあるのか。

 

貿易大臣会合を機に、ぜひ市としての戦略を練り直してほしいものです。そんなことを総務財政分科会で求めたのでした。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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