まさかの議長選挙
こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。
政治は、一寸先は闇。
こう申しますが、堺市議会にとってはまさにそのような1日でした。
本日、堺市議会で議長選挙、副議長選挙が行われ、会派に属さない長谷川俊英議員が議長に、共産党の森田晃一議員が副議長に選出されたのです。それも、維新と自民の応援で、です。

書ける範囲ではありますが、このことについて書きたいと思います。
まず誰が誰に投票したか
投票結果は得票数および有効・無効票数のみで、そもそも投票は記名式ではありませんから、誰が誰に投票したかは明らかでありません。ただ、まず間違いなく以下の通りであるはずです。
【議長選挙】
○長谷川俊英議員(会派に属さず)25票
(内訳)維新15票、自民党市議会議員団5票、共産党4票、長谷川俊英議員1票
○大林健二議員(公明)20票
(内訳)公明11票、堺創志会5票、自民党保守クラブ4票
○無効票1票 (井関議員)
【副議長選挙】
○森田晃一議員(共産党)25票
(内訳)維新15票、自民党市議会議員団5票、共産党4票、長谷川俊英議員1票
○小堀清次議員(堺創志会)19票
(内訳)公明11票、堺創志会5票、自民党保守クラブ4議員のうちから3票
○無効票2票(井関議員、自民党保守クラブのうち1票)
まず何がすごいって、維新や自民党が、共産党に投票したことです。
これまでの議長選挙1
堺市議会では、慣例で議長・副議長の任期は1年となっています。あくまでも「慣例」ですから、年度初めの5月定例会で現職の議長・副議長は自ら辞職し、そして新しい議長・副議長を選びます。
ただし、選ぶといっても、多くの場合は選挙には至らず、話し合いで決まります。なぜ話し合いか?
3年前、今任期のスタート時点で、堺市議会の構成はこうでした。
維新の会 17人
公明 11人
自民 8人
堺創志会 5人
共産 5人
会派に属さない議員 2人
議員総数は48人ですから、過半数に達している会派がありません。なので、選挙で勝つには最低2つ以上の会派が手を組む必要があります。手を組むということは、そのための話し合いが行われるわけで、役職を決めるために水面下で話し合いが行われること自体は、当然のことです。
これまでの議長選挙2
じゃあ、どこか2つ以上の会派で過半数に達したら、常にそれらの会派だけでものごとを決めていけるのかというと、そうでもありません。
地方議会は多様性を具現化する場です。
たとえば、維新と公明で過半数です。維新と公明が手を組めば、常に議長・副議長を輩出することは可能ですが、地方議会には役職を選ぶ以外に、実に多様な議題があります。
ある時には、維新と公明が相容れず、中間派を取り合うこともあります。
また何より、議長・副議長は公正中立の立場ですから、できる限り幅広い支持のもとで人選される方がいいに決まっています。
ですから、ここ最近の堺市議会においては、一部の例外的な年度を除き、維新・公明・自民・堺創志会の主要な4会派が話し合いのもと、議長・副議長、さらには議会運営委員会委員長・副委員長という、いわゆる「議会四役」を、バランスを取りながら一人ずつ輩出してきました。
これを「談合」と呼ぶ人もいるでしょうが、先に申した通り、水面下の話し合いは必ずどこかで行われるわけで、私は議会運営をバランスよく行うための、大人の知恵でもあると思っています。
そして、4会派の話し合いで人選がなされた際は、基本的には全会一致で選出、主要4会派以外から「さすがにその人選は」と異論が出た場合だけが選挙となるものの、選挙をしてその結果が変わることはありませんでした(そりゃ、そうです、四会派で過半数を大きく超えますからね)。
話し合いの決裂と選挙
過去、その時々の政治情勢や、はっきり言えば人間関係の好き嫌いも相まって、話し合いがまとまらず、特定の会派を排除する動きが出たりすることもありました。
まさに今回がそうだったと言えます。
特に今期に入り、維新から離脱者が出たり、自民が二つに分裂したりと、共産から辞職者が出たりと、ずいぶんと会派のパワーバランスが変わっていました。また一般論ですが、分離した両会派の間には、相当な人間関係のしこり、好き嫌いがあることは世の常です。
今日時点での会派構成は下記の通りでした。
維新の会 15人(実際は16人だが、1人が長期欠席中)
公明 11人
堺創志会 5人
自民党市議会議員団5人
自民党保守クラブ4人
共産 4人
会派に属さない議員 2人
そして、詳細を書くわけにはいきませんが、今回の議長選挙に向けた調整の終盤には、
維新+自民党市議会議員団 計20人
公明+堺創志会+自民党保守クラブ 計20人
という拮抗した2陣営に分かれることとなり、残る共産4人、会派に属さない議員2人がキャスチングボートを握ることになりました。
その上で、維新+自民党市議会議員団は、自分たちの議長・副議長候補を当選させるためではなく、相手の候補を当選させないために、キャスチングボートを握る会派に属さない長谷川議員を議長に、共産の森田議員を副議長に推し、別陣営を出し抜くことに成功したのでした。
これにはさすがに驚きました。
そのような誘いをするにことにも、そして、そのような誘いに共産が乗ることにも。
共産を担いだ維新の言行不一致
維新はこれまで、首長選などで「共産に応援される市長」を批判してきました。
私に言わせれば、応援する・しないは、する側の勝手で、「○○に応援されるのはおかしい」と、された側を批判するのは筋違いです。
なのに、それを批判した維新が「共産に応援される」なんて話ではなく、「共産を応援した」んです。
まあ、それほどまでに公明の議長、堺創志会の副議長を阻止したかったのでしょう。
共産は、同じ維新の永藤市長の予算案を毎年反対してきました。
共産の出す意見書に対して、維新は賛成したことはほとんどありません(あっても100回のうち1回あるかないか・・)。ほぼ常に反対。
まさに水と油の両者です。
政治とは、理屈ではなく、感情で動くことがある。
そのことを、まざまざと見せつけられました。
維新には、今後は無理筋な共産党批判を一切謹んでほしいものです。
気になる次の堺市長選
さて、気になるのは今後です。
一年後には堺市長選が控えていますが、これまでは「維新vs反維新」の構図が、4回連続で続いています。
まさか今回の副議長ポストのお返しに共産が維新候補を応援することはないでしょうが・・・、
少なくともこれまでのような「維新vs反維新」ですっきり分かれて戦うことは容易ではないでしょう。
今回の長谷川議員と共産の擁立劇を仕掛けたのは、自民の議員と言われています。ある意味、駆け引きの世界だけでいえば「敵ながら天晴れ」かもしれませんが、、、、
果たして市長選も含めた長期的な視点を持ち合わせていたのでしょうか。
誘った自民も、その誘いに乗った共産も。私には疑問でなりません。
また、これまでの議長選挙や政局、議案の賛否の様々な場面における協力関係、貸し借りなどを考慮した時、それぞれの判断がそれで正しかったと言えるのか、私には何とも判断がつきません。(私自身も自問自答しています)
ともかく、長谷川議長、森田副議長のもとでの議会運営がスタートします。
かつてない談合劇によって誕生した正副議長です。(どの議長選挙でも先述の通り、必ず水面下での話し合い(≒談合)が発生しますが、劇的だった点でいえば、今回は突出していますね)
個人的には親しくさせてもらってきた2人なので、誰に担いでもらったかに関係なく、公正公平な議会運営をしてもらえるものと信じておりますし、なんならこの間、4会派のバランスの中で推し進められなかった議会改革を、2人で進めていただけたらとも思っています。
期待と不安半々で見守りたいと思います。
堺市議会議員ふちがみ猛志

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