視察レポート~三重県・鳥羽市の議会改革~
議会改革で先進的だとされる、三重県議会と、鳥羽市議会を視察してきました。
「議会改革」と言っても、なかなかピンと来ないなもしれませんが、ちょっとした工夫や、制度で、議会の議論が活発になれば、それは必ず市民生活にも反映されるものだと、私は思っています。
さて、その両議会の取り組みで、私が感心したものをご紹介します。
①条例制定の特別委員会・検討会
「○○条例の制定」という、極めて具体的な目的のために、特別委員会や検討会を設置し、各会派から代表者を出して、議論していくことがあるそうです。
堺市でも特別委員会が設置されていますが、例えば「子どもと女性が輝く社会実現」というように、抽象的な目的になっていて、あれこれ議論はすれど、議員はバラバラに好きなことを言いがちです。
また、条例制定についても、堺市議会では特定の会派が突然提案してくることもありますが、こうして各会派が集まって作業することで、多角的な視点で、緻密なものが作れることでしょう。
三重県議会は、「提案型議会」のもう一歩先の「立案型議会」と称していました。
②政策討論会議
①と同様に、県の重要な政策についても、各会派が代表者を出して議論する場を作ることがあるそうです。
議会全体の意思を示すことも可能ですし、議会の側も言いっ放しにならず、建設的な提案もしやすくなるでしょう。
③事務局機能の強化
議会の立案・提案機能を発揮していくには、それをサポートする事務局機能の強化が不可欠です。
三重県議会では、常時、衆議院にスタッフを派遣し、2年間の研修を積ませているそうです。
そうしたスタッフが、三重に帰り、専門職として議会を支えているとのことでした。
④反問権
私たち議員は質問ができますが、首長はじめ、行政サイドはそれを受けるだけで、議員に対して質問ができないのが一般的です。
しかし、鳥羽市では議長・委員長の許可を得て、議員に反問することができるそうです。
こうなれば、議員もいい加減な質問はできません。「じゃあ、どうすればいいのか?」「根拠となる数字は?」と反問されるからです。
議員も緊張感を持って、しっかりと理論武装して、質疑に臨むようになるでしょう。
他、通年議会ですとか、図書館との連携とか、面白い話がたくさんありました。
どれも簡単なことではないですが、私も議会力向上会議のメンバーですから、こうした事例を参考に、提言していきたいと思います。
堺市議会議員 ふちがみ猛志