虐待死で一番多いのは、生まれたその日の赤ちゃん
「社会的養護に取り組む!」と前のブログで書かせてもらいました。
では、具体的に何をするのか・・・。
やるべきことはたくさんありますが、まずは子ども相談所の人員の増強は不可欠だと思っています。
このグラフを見ただけで、「無理がある」と思いませんか?
赤の折れ線が、堺市の児童虐待の相談対応件数です。
平成19年の588件が、平成28年の1605件へと、2.7倍になっています。
一方、棒グラフが堺市の子ども相談所の職員数です。
平成19年の76名から、平成28年の101名へと、たしかに増強されてはいますが、わずか1.3倍です。
児童虐待の対応件数に比べると、伸びは半分。
つまり、単純計算で職員1人あたりの対応件数は2倍に膨れ上がっているのです。
こうした傾向は、おそらく全国の大半の自治体に共通していると思います。
また、棒グラフの青が常勤職員、黄緑が非常勤職員です。
平成19年から平成28年にかけて増加した職員数25名のうち、実に17名が非常勤職員です。非常勤職員が一概にダメとは言いませんが、虐待対応、その後の家庭への復帰をサポートするには、職員が家庭と児童に長期的に寄り添っていく必要があります。
虐待死で一番多いのは、なんと0歳0か月0日の赤ちゃんだそうです。
生まれたその日に殺されてしまう赤ちゃんが一番多いのです。加害者は、9割以上がその子を産んだ母親です。(『「赤ちゃん縁組」で虐待死をなくす』より。データはH16〜23の全国。)
「ひどい母親だ」と責めることは簡単です。
しかし、長い時間、自らの身体の中に宿し、育て、そしてお腹を痛めて産んだ我が子をその日に殺めてしまうとは、どれほど思い悩み、追い詰められていたのでしょう。
その背景には、その女性と子どもを置いてどこかへ消えてしまった男性や、性犯罪の加害男性がいたりもするわけです。女性だけの問題ではありません。また、彼女の苦しみに手を差し伸べてあげられる環境が、なかったのです。
子どもは親を選べません。
虐待は社会全体で何とかしなければならない課題です。
このような悲劇を無くしていくのは、政治の大事な使命です。
虐待対応、あるいは予防には、子ども相談所だけでなく、様々な機関、部署の連携が必要です。しかし、やはり中核となる子ども相談所の体制強化は、まったなしの課題です。
人員の増加、特に常勤職員の増加を求めていきます。
そして、それに留まらず、
妊娠期からの寄り添いサポート
里親の普及・啓発
里親へのアフターケア
地域での緊急一時保護体制の確立
等々、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。
これらのことは、一昨日の大綱質疑でも取り上げましたが、多くの方に知って頂きたく、ブログに書かせてもらいました。
堺市議会議員 ふちがみ猛志