O157を忘れない
今週火曜日、四人の尊い命を奪った、O157集団下痢症の「追悼と誓いのつどい」が行われた。
あの悲劇から20年。
私は大学一年で、アルバイトで塾の講師をして、小学生向けの授業をしていた頃だった。
私の教え子たちに被害はなかったものの、同じ堺で、同じような子どもたちが苦しみ、命を失ってしまった事件に、大変なショックが受けたことを、よく覚えている。
小学生の子どもをもった今、改めて思い返すと、本当に胸が痛くなる。
お子さんや、その保護者の悲しみ、苦しみはいかばかりだったろうか。
どんな事件や災害にも言えることだが、こうしたものは、忘れた頃にやってくる。
このようなつどいを通じて、事件を風化させない取り組みが大事。
堺では、この秋から中学校の選択制給食が始まる。
「堺だけ中学校給食が遅れてる」との批判もあるが、私は当然だと思っている。
これだけの事件があった堺は、「他市もやってるから急いで!」ではなく、慎重すぎるくらいに「安全」を第一に進めていかなければならないはずだ。
まして、政治家が、自分の人気取りのために、拙速に進めてしまうことなど、あってはならない。
私は、全員喫食の中学校給食を導入すべきと考えている。
しかし、全員喫食である以上、自校調理が大前提で、デリバリー給食であるならば、選択制であるべきと考えている。
自校調理(各中学校への調理場の設置)には、大変な予算がかかる。
ここは、大阪市のように、「デリバリーで全員喫食」なんてことはせず、少しずつ、自校調理を進め、できたところから全員喫食に移行すべきだろう。
それが、O157の教訓。
堺が進むべき道だと考える。
最後に、亡くなられた四人の方々に、改めてご冥福をお祈りしたい。
堺市議会議員 ふちがみ猛志