報道された榎小学校のこと

本日、毎日放送の夕方の情報番組「ミント」内の「憤懣本舗」というコーナーで、榎小学校の過密問題が取り上げられました。

これまでもブログに書いてきましたが、堺市屈指の過密校・榎小学校の状況を改善すべく、熊野小学校との校区境に建設中の大規模マンション（ジョルノビル）を、ゆとりのある熊野小学校に校区変更すべきだと、私は訴えてきました。

改めて4つのことを申します。

①校区変更の可能性

②校区をどうすべきか

③現実的な課題

④この問題の本質

①校区変更の可能性

テレビ放送されたので、何かと不安になられる方もいるでしょうから、先に申します。

『この段階に及んで』は、『完全に校区変更』するのは非現実的であり、私自身はそれを求めるつもりはもうありませんし、そもそも教育委員会にその気がありませんから、そのようになる可能性はないでしょう。（よって、心配されている方は心配無用ですし、それを望んできた方には申し訳ない結果です）

なぜなら、すでに「ジョルノビルが引き続き榎小学校であること」を前提に、マンションを購入された「榎小学校在校児童の保護者」が、複数いらっしゃるからです。そういった方に、転校を余儀なくさせるわけにはいきません。

本来であれば、教育委員会は、マンションの販売が始まる前にこの決断をしなければなりませんでした。しかし、それをしませんでした。そして、やるべきタイミングを完全に逸してしまいました。

『この段階に及んで』と書いたのは、そういう意味です。

②校区をどうすべきか

ただし、今からでも、両方の小学校に通える（選択できる）「指定校変更許可区域」にはしなければならないと思っています。「榎小にも通える熊野校区」か、「熊野小にも通える榎校区」かはともかくとして。そうして、榎小学校の過密を、たとえわずかでも緩和すべきだと考えます。①で『完全に校区変更』と書いた『完全に』とは、熊野小にしか通えない熊野校区という意味です。繰り返しますが、『この段階に及んでは』もはやそれはできないし、すべきではないでしょう。

③現実的な問題

これまでのブログでも、

1．榎小の狭小な運動場（1人あたりの面積は保育園ですらNGのレベル）

2．ジョルノビルからの危険な通学路

3．増築中の校舎をもってしても、なお教室数が不足する可能性

4．学童保育の居室確保の目途が全くつかないこと

などなど、まだまだ挙げればキリがありませんが、たくさんの問題を指摘してきました。

さらにこの2か月ほどで新たに浮かび上がった課題、それは「30人学級への対応」です。

菅新政権発足後、30人学級の実現を求めて自民党での議連の立ち上げや、公明党の要望提出など、具体的な政治の動きが始まっており、私は早晩実現するのではないかと思っています。（それ自体は大歓迎しています）

これがもし実現したならば、大半の小中学校でクラス数が増え、校舎の増築や、教員の増員が必要となります。榎小でも各学年1クラス、計6クラスは増えます。これに対して、国が予算を措置してくれれば、そして時間さえかければ、大半の学校がなんとか対応できるでしょうが、こと榎小学校に関しては対応できない可能性が高いでしょう。今以上に校舎を増築する敷地が、もはやないからです。物理的に不可能でしょう。

とは言え、他の小中学校が30人学級なのに、榎小だけやらないわけにもいきません。よって、国がその決定をした暁には、榎小学校は分校や、（すでに通学している児童のいる区域の）校区変更をせざるを得なくなるでしょう。だから、そんなことにならないように、私は通学児童のいない建設中のマンションの校区変更を、ずいぶん前から求めてきたんですが・・。

④この問題の本質

私は、今回の問題は、「校区変更しない」という『結論』ではなく、その検討の『過程』にあると思っています。

いや、正確に言えば、「検討すらしなかった、その過程」です。

すでに起こっている課題、将来起こる可能性が高いリスクから目を背け、「コミュニティの分断」というありえない理由を盾にして、そのくせに地域との協議も一切せず、面倒な仕事に背を向けてきたわけです。

このような姿勢では、今後待ち構える小中学校の学校規模の適正化、校区再編は、到底進めていけないでしょう。本当に先が思いやられますし、大人たちのこの姿勢によって悪影響を受けるのは、子どもたちです。情けない限りです。

また、このような「問題の先送り・面倒な仕事からの逃避」の姿勢を役所が取るならば、校区再編に限らず、行政運営の様々なシーンで、住民に悪影響が及ぶことでしょう。

今回のテレビ放送が、榎小学校の校区云々以前に、役所のそのような姿勢が改善される1つのきっかけになることを願って止みません。そして私自身も、このような姿勢に対しては、今後も厳しい態度で改善を求めていく所存です。

【ご参考】

2019.3.20ブログ「コミュニティはどこに？　～ジョルノビルの校区～」https://fuchigami.info/%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%86%e3%82%a3%e3%81%af%e3%81%a9%e3%81%93%e3%81%ab%ef%bc%9f%e3%80%80%ef%bd%9e%e3%82%b8%e3%83%a7%e3%83%ab%e3%83%8e%e3%83%93%e3%83%ab%e3%81%ae%e6%a0%a1%e5%8c%ba/

2020.9.28ブログ「呆れるばかりの教育委員会の姿勢」https://fuchigami.info/%e5%91%86%e3%82%8c%e3%82%8b%e3%81%b0%e3%81%8b%e3%82%8a%e3%81%ae%e6%95%99%e8%82%b2%e5%a7%94%e5%93%a1%e4%bc%9a%e3%81%ae%e5%a7%bf%e5%8b%a2/

堺市議会議員ふちがみ猛志