大阪都構想と対案
いまだに「大阪都構想をどう思うか?」と聞かれることがあります。
正直、「堺では過去の話」と言いたいところですが、お隣で今も大騒ぎしておりますので、ここで明確に述べておきます。
反対です。
理由は、
① 堺にはメリットがない
② それでなければできないという政策がない
③ 私のビジョンと相容れない
まず前提として、「大阪都構想になればバラ色の未来が」ということは絶対にありません。
それは橋下市長も認めています。
「大阪都構想」は、あくまでも、「ある政策を実現するための手段」に過ぎないのです。
当初、「大阪都構想になればバラ色の未来が」というイメージが醸成されたのは、「府と市の二重行政があまりに膨大で、これを解消すれば4000億円ものお金が浮く」とされ、それによって「たくさんの政策が実行できる」と、それがあたかも真実であるかのように語られていたからです。
それが大阪都構想の中身を詰めるうちに、4000億が200億円にまで縮小したのはご承知の通りで、さらに「実は1億円」という見解もあり、私も「200億でもサバを読みすぎ」と思っています。
なぜなら、特別区の職員数が、他の市と比較して、あまりに過小だからです。
これに加え、導入コストが1000億はかかると見られています。
これが大阪府・市のケースです。
堺市は?
大阪都構想を提唱している維新の会でも、まだ堺のケースの試算がなされていないと思われますが、「あれも、これも」と二重行政が指摘されていた、大阪府・市でその調子です。
ムダと言える二重行政が指摘されていない堺において、どれほどの財源創出効果があるのか。
おそらく導入コストが丸々かかるだけでしょう。
さらに職員増など維持コストが膨らむでしょう。
一方で、政令市としての権限が喪失し、一般市以下のものになりますから(仮に中核市並みが実現したとしてもマイナスには変わりない)、堺市としての政策の自由度は下がります。
「大阪中心部との一体開発がメリット」という方もいます。
やればいいんです。
本当に素晴らしい開発なら、今の行政区分のままでもできます。
維新の会の今回の特別区マニフェストを見ても、あるいは維新の堺市議会議員が掲げる政策を見て、「なるほど」と思うものもあります。
しかしながら、それはどれも、「大阪都構想でなくともできるもの」ばかりです。
「大阪都構想」という「手段」に、財政的、政治的パワーをかげずに、いま実直にその「政策」に注力すればいいのに、、、とつくづく思います。
どなたか「大阪都構想という手段を取らないとできない政策」や「解消できない致命的な問題点」があれば、ぜひ教えて下さい。
先のブログにも書きましたが、私は「泉州のリーディングシティ」という堺のビジョンを持ち、堺が独自性を活かし、持続的に着実に発展させたいと思っています。
そういったビジョン、そして「独自性」という意味でも、大阪市と一緒になる大阪都構想は、相容れません。
では、大阪都構想の「対案」は?
これもよく聞かれます。
「対案」は「政令指定都市として権限を強化していく」です。
堺は政令指定都市でいいんです。
「へえ~、今のままでいいんだ。こんなに問題だらけの堺で?」という声が聞こえてきそうですが、誰もそんなこと思っていません。
「現状を変える」のは「政策」であって、大阪都構想、あるいは行政区分を変えるという「手段」ではありません。
「政策は今のままで」と言えば、それこそ問題です。
新しい政策をどんどんと打っていく必要はあります。
しかし、それに大阪都構想や、行政区分の変更は必要ありません。
むしろ、基礎自治体として権限・財源のある政令指定都市がいいのです。
その上で、国や府から権限以上を受けられればベターですが、仮にそれができなくとも、「行政区分に関して」は、大阪都構想よりは「今のまま」の方がいいのです。
私はそう思っています。
ふちがみ猛志