是々非々改めて感じた今議会
結論として今回のブログでお伝えしたいのは、、、、
あくまで議会は是々非々であり、本来、「○○党だから全部賛成or全部反対」なんてことはない。
ということです。
私は、とりわけ維新の会を批判するブログを書くことがしばしばあり、その支持者の方から
「維新には何でもケチをつける」という主旨のご意見を頂くことがあります。
過去に私が批判してきたのは、多くの場合はその主張(政策)ではなく、
議会や市民に向き合う姿勢についてであり、主張そのものには、それなりに共感するものもあります。
これは維新に限らず、自民、公明、共産であれ、、、、共感する部分もあれば、そうでない部分もあります。
いや、むしろ、政党というより、○○議員であれ、▲▲議員であれ、、、、という言い方の方が正しいかもしれません。
だって、そうですよね。
これだけ価値観が多様化し、社会問題も複雑化する中で、「考えのすべてが一緒」とか、
「すべてが正反対」なんて人は、きっといないはずです。
さて、今回の予算審査特別委員会で、それを示すいくつかのやり取りがありましたので、紹介したいと思います。
■共感する部分の多かった維新・伊豆丸議員の質疑
私が共感した同議員の主張を、いくつかご紹介したいと思います。
議事録が出来上がっていないので、発言そのものではなく、主旨を記載します。
なお、「」は同議員の主張の主旨、それ以外は私の感想・解釈です。
【消防職員のミスによる消防艇の故障事故について】
「職員の自腹による費用負担はあってはならない。現場の士気に影響する。」
「修理費用は公金を投入するしかなく、一方で、マニュアルの整備などができていなかった組織の問題として、
減給などの処分をするべきである。」
「ネガティブニュースは『すべての情報が揃ってから』ではなく、『とりあえず第一報』が重要であり、
情報が揃う度に『第二報』『第三報』とすべき。」
かつて大阪観光局長が、イベントの損失を自腹で2700万円補てんし、
橋下市長(当時)が評価した事例がありましたので、特に1つ目の主張が維新議員から聞かれたのは、新鮮でした。
3つ目の主張もその通りであり(というより常識)、これができていない今回の消防艇の故障や、
これまでのいくつか不祥事案件における、市の報告体制には、大いに問題ありです。
【政令市権限について】
「政令市の最大の権限は『まちづくり(都市計画)』であり、そこでは都市圏を意識する必要がある。」
まさにその通りで、この都市計画決定権がなくなることが、大阪都構想の最大のウィークポイントとも言えます。
また、南大阪全域からの誘客を狙う芸術文化ホール『フェニーチェ堺』を、
『基礎自治体の役割を逸脱』と批判してきた維新ですから、都市圏に触れたことも新鮮でした。
【行財政改革について】
「堺市は行財政改革にしっかり取り組んできた。」
これは数字を見れば、誰もがわかる部分ではありますが、
それでも『竹山市政に批判一辺倒』の感があった維新の議員から、こうしたコメントがあるのは意外でした。
【身を切る改革について】
「『身を切る改革』は時代遅れ」
これには委員会室もざわめきました。
『身を切る改革』などは単なるポピュリズムであり、改革でも何でもないと私は思っています。
同議員がそこまで思ったわけではないでしょうが、少なくとも同党の看板方針をこう評したわけです。
トップダウンで『言いたいことも言えない』印象のある同党で、
自分に正直にこう語ったことには、敬意を表したいものです。
■私と同様の主張の、小林よしか議員
続いては、政務活動費の不正事件があり、議員辞職勧告決議までなされた(私も賛成した)、
元維新の小林よしか議員です。
もちろん、今でも私は「辞職すべき」と思ってはいますが、だからと言って、
彼女の政策的な主張そのものが「ダメ」というわけではありません。
むしろ、彼女は維新議員の中でも、子育て支援に一番熱心だという印象がありますし、
また、当事者としての実感が込められていると、私は感じています。
今回の議会で彼女が取り上げた、「特定不妊治療の公費助成の所得制限の緩和」と、
「保育士の子どもの優先入所」は、私が12月の議会の大綱質疑で取り上げたものでもあり、
同様の主張を同年代の議員がしてくれたことを、大変嬉しく思いました。
その他、これまでの議会でも、彼女の主張する施策には、共感する部分が少なからずありました。
子育て支援が重要な政治テーマとなっている今、どの政党かに関わらず「子育てをしている議員が増えてほしい」と、
つくづく思うところです。(ただし、不正はいけません)
■いただけない市当局の方針
一方で、現市政の方針ならば「なんでも賛成」と、
あらぬ批判を受けることもありますが、もちろんそうではありません。
今回それが顕著になったのが、「家庭ごみの有料化」問題です。
これまで審議会などでは議論されてきたこの件について、突如として、
行革プログラムの将来的なアクションに掲載されたのです。
これについては、そのプロセスも含め、声を大にして異を唱えました。
他会派は特にこれに触れていませんでしたが、私の会派では何人もの議員が、今議会で立て続けに質疑し、
私自身も、総務財政委員会の「行政の見える化」の議論の折に、あまりにわかりにくい今回のプロセスを批判し、
真摯な議論の姿勢を求めました。
この件は、長くなるので、後日ブログに纏めたいと思います。
以上のように、あくまで「議会は是々非々」です。
また、地方議会は政党の違いより、個人の違いの方が大きいと感じます。
「○○党の議員」と一言で言っても、主張はもちろん、政治に対する向き合い方も様々であり、
共感する面も、そうでない面もあり、その割合も人によって違います。
ぜひその辺りを市民の皆様にチェックして頂ければ、政治の質(議員の質)は確実に上がると思っています。
でも、一人ひとりの議員の主張や、姿勢にまでは目が向かない、むしろ「そもそも見えない」のが現実だと思います。
だから私は、せめて私だけでも、こうしたブログや、チラシや、街頭活動や、色々な媒体を通じて、私自身を晒して、
批判的な目も含め、市民の皆様に見て頂きたい、見て頂く努力を惜しんではいけないと思っているところです。
堺市議会議員 ふちがみ猛志