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身体が小さい子を持つパパママへ

「同じ年齢(学年)で運動能力を比べても意味がない」

 

オリンピックのナショナルチームのトレーナーだった方からそう聞いて、びっくりしました。アスリートを育てるプロトレーナーの言葉です。

 

子どもの身体が小さく、運動能力が低いことで悩んでいるパパやママがいれば、ぜひ知って頂きたいと思い、普段の政治の話とは趣が違いますが、目からウロコだったことをブログに書かせてもらいます。

 

私には小4になる息子がいますが、身体が小さく、おそらく身長は学年で一番低く、体重も一番軽いようです。

身長は2学年下の2年生の平均くらい、体重は1年生の平均くらいです。

 

私も小学生の時は常にクラスで1~2番目に小さい方でしたし、妻もそうだったので、その子どもで、しかも2月生まれとなれば、学年の中では小さくなるのが自然です。だから私は、身体の大きさ自体は気にしていません。

 

だけど「少し」気にしているのが運動能力です。

身体が小さいので、走るのも飛ぶのも投げるのも、どうしても他の子に劣るのです。そして、(おそらく)劣ることが原因で、同学年の子との運動、外遊びを避けがちになっています。

 

身体が小さいことよりも、運動が苦手なこと、苦手意識があること。

そしてそれ以上に、その結果として、自尊感情が持てないこと、外遊びや運動を避けてしまうこと、友達との関わりが減ってしまうことを、父親として多少なりとも気にしています。

もちろん、「運動以外にもいいところがある」とは思っていますが、だからといってこれらがまったく気にならないものではありません。

 

そんな折、プロトレーナーの方とお話する機会に恵まれたのです。その方は、文部科学省の新体力テストについて研究をされていて、子どもの体力についても精通されていました。

そこで、私は子どものことを相談してみました。

 

その答えが、冒頭の「同じ年齢(学年)で運動能力を比べても意味がない」というものでした。

 

「子どもの運動能力は、身体の大きさに大きく影響されます。ですが、身体が大きくなる時期(年齢)は人によって様々です。同じ年齢でも体格差が大きいので、運動能力に差があるのも当然です。だから運動能力は、年齢(学年)で比べるのではなく、身体の大きさで比べるべきなのです。」

 

つまり「4年生で〇番目に足が速い。」ではなく、「身長120㎝台の子としては・・」という具合にすべき、というのです。

 

私は、我が子を振り返ってハッとしました。

 

そういえばここ最近、長男は(2学年下の)2年生くらいの子どもたちとよく遊ぶようになりました。2年生の子どもたちの中に入ると、私の長男も標準的な大きさですし、鬼ごっこなんかをしても、対等にやれています。そして実に楽しそうにしているのです。

体格の近い子どもたちの中では、決して運動能力に劣るわけでもなく、ゆえに彼なりの自己肯定感も保てているように思います。

私も親として、「4年生とは思えぬ運動能力の低さ」と思うより、「この身体なら、これくらいの運動能力で標準」「そのうち身体が大きくなれば、運動能力も上がるだろう」と思えばずいぶん気が楽です。

 

「運動能力の比較自体をしなければいい」という人もいると思います。

でも、子ども同士の外遊びの中で比較し合ってしまうのは必然ですし、外遊びをしないというのも、健康な身体を作っていく上ではよくないと思います。

また、そのトレーナーの方は、適切な比較によって子どもの運動能力の強み、弱みを見極め、その子に合ったスポーツ競技を見つけてあげることが、スポーツ選手を育てる上でも、また運動嫌いを作らないためにも大事なんだとおっしゃっていました。

うちの子ならば、学校の体力テストの結果を「学年比較」すれば、「全部ダメ」という結果になるんだと思います。でも「体格比較」すれば、そこそこの結果になり、弱みはあっても、強みも見つかるのだと思います。

足が速い子には、持久力のある子には、柔軟性のある子には、、とそれぞれに見合ったスポーツがあるはずです。

 

逆の話もおっしゃっていました。

身体の大きい子にとっても、「年齢比較」がよくないのだと。

成長期の到来が早くて、小学校高学年でずば抜けて大きかったのに、高校くらいになるとそれほどでもなくなる子もいます。小学校でずば抜けて大きいと、その学年内で比較するとやはりずば抜けた運動能力になり(体格比較では実はそれほどではないのに)、周囲が過度な期待をしてしまう。そして、中学・高校になって体格差が縮んでくると、運動能力の差も縮み、周りも自分も「スランプだ」と思い込み、ハードワークに追い込んでしまう。そして故障する。その競技を諦めてしまう。そんな事例が少なくないそうです。

 

小学校・中学校での体力テストは、測定し、同じクラス内で見比べて(比較されて)、それでおしまいになるケースが大半だろうと思います。

本当はその先、分析し、強み・弱みを見極めて、強みを活かせるスポーツをみつけ、運動嫌いを減らす、運動によって自己肯定感が損なわれることをなくす・・ということが大事なはずです。そして、その中で「年齢比較」ではなく、「体格比較」が大事ということです。

 

この話は、教育委員会の職員も一緒に聞くことができました。

ぜひ、堺市の小中学校での体育に、そんな視点を取り入れてほしいものです。

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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